「相馬の土地を耕して みんなの心も耕して」二宮尊徳の報徳仕法のラップ劇を披露 福島県南相馬市の石神二小4年生
福島県南相馬市原町区の石神二小の4年生57人は、江戸時代末期に旧相馬中村藩で実践された報徳仕法や提唱者の二宮尊徳について調べ、ラップを取り入れた劇を考案した。11月30日に同校で開かれた学習発表会で保護者や地域住民に披露した。 同校がある石神地区では尊徳の弟子として報徳仕法を学び、飢饉(ききん)に苦しんだ相馬中村藩の立て直しに尽力した藩士の富田高慶が晩年を過ごした。郷土の歴史や偉人について理解を深めようと、総合学習の時間を利用して探究した。 身体表現教育者で尊徳の思想を研究するオーハシ・ヨースケさんを迎え、報徳仕法の理念や尊徳の生涯について学習した。成果を劇でまとめ、分かりやすく表現しようとオリジナルのラップ曲を考えた。 劇は家族との会話から、報徳仕法や尊徳の人生について思いをはせる―との設定で展開。小さな努力の積み重ねが大きな成果を生み出す「積小為大」、まごころを尽くす「至誠」など尊徳の教えを解説し、現代の国連の持続可能な開発目標(SDGs)にもつながる考えだと訴えた。
57人全員が舞台に立ち、最後はリズムに乗せて「相馬の土地を耕して みんなの心も耕して」などと、報徳仕法を紹介する歌を披露した。 指導に当たったオーハシさんは「報徳仕法をラップにしたのは世界初では」と、はつらつとした発表に目を細めていた。 (相双版)