橋本大輝(体操)「パリ五輪は金メダリストの地位を守るのではなく、もう一度挑戦する気持ちが強い」──パリ五輪に挑むアスリートたち_Vol.3
個人総合に限ると2021年の東京五輪、22年の世界選手権に続き、昨年の世界選手権でも金メダルを獲得している体操の橋本大輝は、パリ五輪でも金メダルの最有力候補だ。体操ニッポンのエースは、王者として連覇に挑む。 【写真を見る】橋本大輝がヴァレンティノ&ベルルッティを着こなす!
橋本大輝、パリ五輪の金メダル最有力候補
「普段はモノトーンの服ばかり着ているので、明るい色のシャツは新鮮です」 橋本大輝は、男子体操の絶対王者であり、パリ五輪では金メダリストの最有力候補だ。「肩幅が広いのでサイズ選びが難しい」とこぼす表情は22歳の青年らしく、どこか無邪気だ。最近買ったお気に入りのアイテムは、アミ・パリのパーカだという。 インタビュー時には、トップアスリートらしからぬ一面を見せてくれた。グラム単位で体重を管理しているようなストイックな印象があるが、控室に用意されたお菓子を無造作に食べているではないか。しかも、よく食べる。 「カップラーメンはさすがに気にしますが、お菓子は気軽に食べます。海外遠征も多いので食事で神経質になり過ぎないようにしていて、身体が重くなっても、コントロールできるからいい、という感じで開き直っています」 柔和な表情が引き締まったのは、世界中の体操選手からマークされる重圧について尋ねた時だった。 「連覇に挑む、という点では僕はチャレンジャー。パリ五輪に関しても、金メダリストの地位を守るのではなく、もう一度挑戦する気持ちが強い」 実は、東京五輪以降は決して順風満帆ではなかった。例えば、2023年年初には腰の疲労骨折も経験している。 「モチベーションが下がりかけたのですが、(内村)航平さんと食事をご一緒する機会があったんです。その時に、怪我との向き合い方などの経験を含めて『大丈夫だよ』と声をかけてもらって、秋の世界選手権に向けて気持ちを整理できました。東京五輪から成長したのはメンタルの部分。体操は身体をコントロールする競技ですが、心も重要ですから。パリ五輪に向けて練習をするのが楽しくて仕方がない」