65歳以上の無職世帯「老後に向けた貯蓄」一体いくらあればいい?平均貯蓄額・生活費を確認
65歳以上・無職夫婦の1カ月の生活費は?
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編」によれば、65歳以上・無職夫婦世帯の1ヵ月の生活費は以下のとおりです。 ・消費支出:25万959円・食料費:29.1%・住居費:6.7%・光熱・水道費:8.9%・家具・家事用品費:4.2%・被服及び履物費:2.1%・保険医療費:6.7%・交通・通信費:12.2%・教育費:0%・教養娯楽費:9.8%・その他:20.3%(うち交際費9.7%) ・非消費支出:3万1538円 夫婦世帯の1ヵ月の支出は約25万円となっています。この支出額は、年金だけではなかなか賄えません。貯蓄の取り崩しが必須となるでしょう。 たとえば、会社員と専業主婦の夫婦世帯が年金を受け取るとしましょう。厚生年金の平均受給額が14万3973円、国民年金の平均受給額が5万6316円ですから、おおよそ20万円の年金を世帯で受け取れます。 しかし、生活費支出の平均は約25万円のため、毎月5万円の赤字が発生することになります。 もし2000万円程度の貯蓄があれば、毎月5万円ずつ取り崩したとして400ヵ月、約33年で貯蓄が枯渇します。実際には農作物の収穫量、エネルギー価格などさまざまな要因で物価の変動があるため、より早く貯蓄が枯渇する可能性もあるのです。 家族に遺産を残したいのであれば、貯蓄額は最低でも2000万円以上は用意しておく必要があるでしょう。
貯蓄には明確なゴール設定を
老後に向けた資産づくりは、先が見通しにくく目標を見失いがちです。加えて、物価高の影響などから、貯金に回すべきお金を現在の消費支出で使ってしまう場合もあるでしょう。 「2000万円以上、できれば2500万円以上」といった明確なゴールを設定することで、貯蓄を続けやすくなります。資産運用などでお金を増やすことも並行して行えば、より効率よく老後に向けた資産づくりが可能です。
参考資料
・総務省統計局「人口推計 (2024年(令和6年)4月確定値、2024年(令和6年)9月概算値)(2024年9月20日公表)」 ・内閣府「令和6年版高齢社会白書 3 家族と世帯」 ・厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・総務省統計局「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表 8-30 <世帯分布>各種世帯属性別世帯分布 貯蓄現在高,貯蓄・負債現在高の差額階級別世帯分布」 ・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
石上 ユウキ