立ち入り禁止お願いしているのに…天然記念物の湿原に数え切れないバックカントリースキー跡 大きな雪崩起こす危険も
長野県の車山湿原周辺、植生への影響懸念
国天然記念物に指定され、県や諏訪市が動植物への影響を考え立ち入らないように求めている霧ケ峰の車山湿原周辺の斜面を滑るスキーヤーやスノーボーダーが多く確認されている。バックカントリースキーの人気の高まりなどで昨季から増加傾向。今年は積雪が少ない上に滑った跡が多いことから県霧ケ峰自然保護センターなどが注意を呼びかけている。 【画像】湿原にくっきりと残るスキーの跡
増えるスキーヤーやスノーボーダー、植物が露出している場所でも痕跡
滑った跡が多く見られるのは車山湿原の南側にある標高1925メートルの車山(諏訪・茅野市境)の北側斜面。センターによると昨年からスキーやスノーボードで立ち入る人が増えた。以前は週末に1、2人が滑った跡があったが、今年は数え切れないという。植物が露出している場所でも痕跡がある他、車山湿原内まで跡が延びていたこともある。
天然記念物と知らず
同センターは立ち入りを防ごうと職員が巡回して注意。大半の人が天然記念物だと知らないまま滑っているという。一帯では数百メートルに及ぶ雪崩が発生することもあり、「一つ跡があると滑っていいと思ってしまうが、危険もある」とする。
車山湿原は千年以上の歴史があり、周囲の草原なども含めて車山山頂付近から蝶々深山山頂付近、車山肩までが広く天然記念物になっている。センターはウェブサイトで立ち入りできない範囲を示し、「雪の多さにかかわらず、植生への影響を未然に防ぎ後世に残すためにも立ち入らないでほしい」としている。