あと数年で60歳。退職後も働かなくてはならず、暗い気持ちです。60歳を超えても働くのは今では当たり前なのでしょうか?
健康寿命の延伸によって、年をとっても働き続ける元気な人が増えていますが、その一方で「定年退職後はゆっくりしたい」と考える人も多いのではないでしょうか。 特に、働かなくても一定の収入を得られる人や、仕事以外の生きがいがある人にとって、完全引退は魅力的な選択肢になるかもしれません。そこで本記事では、60歳以上で仕事をしている人の割合や、今後も仕事を続けたいと考えている人の割合を紹介します。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
60~64歳の約7割が仕事を続けている
内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、2021年の就業者の割合は、60~64歳の年代では71.5%となっています。 10年前の2011年の割合(57.1%)と比較すると14.4ポイント上昇しており、60歳を超えても仕事を続ける人が年々増えている様子が読み取れます。そのほかの年齢層の割合は以下の通りです。 【就業者の割合(2021年)】 ●60~64歳:71.5% ●65~69歳:50.3% ●70~74歳:32.6% ●75歳以上:10.5% 65~69歳の人のうち半数以上が仕事を続けていることを考えても、今や60歳を超えて働くのは珍しいことではなく、一般的になりつつあるといえるでしょう。また、男女別では特に男性の就業者の割合が高い傾向にあります。
自ら望んで仕事を続けている人が多い
60歳を超えても仕事を続ける人が多いのは、働かざるを得ない状況に置かれているからなのでしょうか。 厚生労働省の「第18回中高年者縦断調査」(67~76歳が対象)によると、調査時に「仕事あり」の人のうち、68~69歳になっても仕事をしたい人の割合は80.3%でした。70~74歳になっても仕事をしたい人は59.1%、75歳以降でも仕事をしたい人は27.2%と、自ら望んで仕事を続けている人が多いことが分かります。 仕事を続ける理由は人それぞれですが、主に「収入を得るため」「仕事にやりがいを感じられるから」「健康のため」といったものが考えられます。