阿部監督「西川くん一人にやられちゃったかなって感じだね」3戦連続V打のオリ4番止められず3連敗
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人1―4オリックス(9日・東京ドーム) 巨人がまた初物に苦しめられ、今季3度目の同一カード3連敗。リーグ3位に後退した。8日に支配下登録されたばかりのオリックス・佐藤一磨投手(23)に5回無失点に封じられプロ初勝利を献上。3戦連続零封負けこそ免れたが4安打1得点のみ。初戦の東、2戦目の斎藤に続き初対戦の投手に球団史上初めて3戦連続で白星を献上した。相手4番の西川には3戦連続初回にV打と止められなかった。この日セ・リーグで唯一の敗戦となったが、11日からの楽天3連戦(楽天モバイル)で切り替える。 【ハイライト動画】巨人が“初物”左腕に5回ゼロ封 26イニングぶり得点も3連敗 二度あることは三度あった。前日8日、就任後最短の2秒で会見を切り上げた阿部監督は努めて冷静に「西川くん一人にやられちゃったかなって感じだね。僕も含めてみんなで切り替えていくしかないなと思います」。今季3度目、本拠では2度目の同一カード3連敗の現実を受け入れた。4番の西川に3試合連続で初回に先制タイムリーを浴びると、攻撃陣はプロ初登板の佐藤から得点できず、球団史上初めて3戦連続で初対戦の先発に白星を献上し、3位に転落した。 立ち上がりを攻めきれなかった。2点を追う初回1死、不安定だった佐藤から、ヘルナンデスが左中間を破る二塁打。だが吉川、岡本和が倒れて好機を逃すと、左腕を勢いに乗せてしまった。190センチから内角に投げ込む球威のある直球に苦戦し、5回でわずか1安打と沈黙。佐藤がマウンドを降りた後の6回、坂本の左犠飛で、26イニングぶりの得点を奪うのが精いっぱいだった。 初戦の7日は東に8回2安打、8日は19歳右腕の斎藤に5回1安打に抑えられた。今カードは佐藤を含め、初対戦の先発の前に、18イニング4安打で無得点。特にこの3戦は12打数5安打4打点の相手4番・西川とは対照的に、主砲の岡本和が10打数無安打と沈黙した。指揮官は「4番が打てば勝つのが野球だと思うし。でも最後の当たり(8回の中飛)は良かったので。ちょっと迷いもあるのかなと思いながら見ているけど、何とか割り切ってやってほしい」と責めずに復調に期待した。 チーム状況を好転させるため、指揮官も動いた。完封負けを食らった翌日の8日。練習開始前に阿部監督自ら打席に立ち、特打を敢行。矢野打撃コーチは「野球に対する姿勢や執念を伝えたかったんだと思う」と指揮官の思いを代弁した。打てないことを責めるのではない。打てるようになるために自主的に努力、工夫をしてほしいという願いを込めた行動だった。 この日の練習前、秋広や門脇ら若手に交じり、吉川が志願して特打に参加。「何とかしよう」という思いを行動に移し、8回に5戦ぶりの安打が出た。勝利にはつながらなかったが、現状を打破しようと皆がもがいている。 3連敗したとはいえ、交流戦は6勝6敗の五分で貯金も2ある。11日からはビジターで楽天、日本ハムとの6連戦が待つ。「明日、しっかりリフレッシュして、来週はいい1週間にしたいね」と指揮官。チーム一丸で苦境を脱する。(井上 信太郎)
報知新聞社