《三浦春馬さんの選挙ポスター騒動》アミューズの緊急声明受けYouTuberらが撤去方針示すも弁護士は「無断でのタダ乗りは許されない」罪に問われるのか
使われたのは写真ではなく「イラスト」
アミューズは公式声明の中で、《三浦春馬の氏名と肖像(似顔絵)が無許諾で、しかも(後述のとおり)商業目的で選挙ポスターに使用されているという、パブリシティ権の侵害についてです》と問題の焦点ついて言及している。今回の三浦春馬さんのポスターについて、問題点はどこにあるのか。浦川祐輔弁護士が解説する。 「まず、ポスターの作成者やN国党が何らかの刑事罰を受ける可能性は低いと思います。個人の顔を無許可に選挙ポスター等で使用するのは、一般的に刑事罰に問われるような行為ではないのです。 またこの場合、三浦さんの肖像権侵害も認められにくいでしょう。芸能人という立場の方々が元々ある程度の露出が想定されている職業ですので、プライベートな場や密閉空間ならまだしも、公の場での肖像権保護はかなり限定的と考えられているからです。撮影者の著作権侵害も問題となり得ますが、今回は『イラスト』であって、写真そのものが使われたわけではないので、著作権侵害も難しそうです」 一方で、民事上の責任追及を全く受ける可能性がないかというと、そういうわけではないという。 「アミューズが言及しているように、『パブリシティ権』侵害が成立する余地があります。パブリシティ権とは、『有名人の顧客誘引力に無断でタダ乗りされない』権利です。 本来企業がCMに有名人を起用するときなどにもちゃんと使用料を支払っているわけで、そういうのを支払わずに、無断でのタダ乗りは許されないのです。今回は、ポスター上のQRコードでYouTubeチャンネルに誘導しているので、パブリシティ権の侵害と認められる可能性はあり得ると思います」(浦川弁護士)
一連の騒動について「謝罪」
アミューズの声明発表の直後、「春活channel」は『東京都知事選挙ポスターの件でアミューズ法務部から声明が出ましたので自分なりの思いを言います』と題した動画を投稿。《先ほど、N国党の立花さんから連絡をいただきまして…》と、今回の件に関する“謝罪”を始めた。 《私が三浦春馬さんが大好きで、追求するがあまりこういうことをしてしまったわけなんですが、まあ特にですね、ご遺族の方も心を痛めているということが書かれておりますし、私もこういった形で東京都知事選挙にポスターを貼り出して、アミューズさんにご迷惑をおかけしたという意味でも、やり方を間違えていたのかなと思いました。》 その後、 N国党の立花孝志党首もXを更新。YouTuberとのやりとりで「事前に株式会社アミューズ様に許可をとっていないので、直ちに撤去します。撤去の方法は立花さんにお任せします」との回答を得たと説明。そのうえで《株式会社アミューズ様、三浦春馬様のご遺族の皆さま、三浦春馬様のファンのみなさま 大変失礼致しました! ごめんなさい》とし、ポスターを撤去する方針を示した。 一連の選挙ポスター騒動に巻き込まれたファンの悲しみはいかほどか。