都立国分寺、青山学院との死闘を制し2回戦進出
令和6年度関東高校サッカー大会東京予選は4月14日、1回戦の残り10試合が行われた。大会には30校が出場。5月5日の決勝に進出した2校が、本大会(5月25~27日・千葉県)の出場権を獲得する。プリンスリーグ関東1部の帝京、同2部の國學院久我山は出場していない。 【フォトギャラリー】青山学院 vs 都立国分寺 新人大会第8区を制した都立国分寺は、青山学院に0-0からのPK戦を9-8で制し、4月20日の2回戦で大成とぶつかる。 相手守備網の背後を狙う速さ、パスを丹念につなぐ巧妙さで上回る都立国分寺が、最初に好機を迎えた。前半開始50秒過ぎに右CKを得ると、FW若林朋希(3年)がファーサイドへ送ったボールをCB山田大聖(2年)がヘッドで完ぺきに捕らえたが、いくらか左へそれて先制のチャンスを逃した。39分には左SB宮林隆之介(3年)が鋭い弾道のシュートを狙ったが、バーの上を越えていった。 青山学院はMF中楯颯志(3年)が、中列後方からビルディングアップを開始し、FW武田健太郎(3年)をはじめとする前方の3人にパスを託した。前半2分と15分、いずれも武田が決定的なシュートを放ったが、1本目はGKの正面を突き、2本目は右へ外れた。30分にはFW中原佑太(3年)の絶妙な縦パスから、FW永久保貴也(3年)が打ったが、DFにブロックされてしまう。 前半はともに決め手を欠いて無得点で折り返した。 後半はいくらか都立国分寺のペースで進んだ。5分に途中出場のMF石川空大(3年)、14分に若林がともに強シュートを放ったが、これも決めることができなかった。 最大のチャンスは27分だ。後半11分に送り込まれたFW松田淳平(3年)が、石川のスルーパスに抜け出し相手GKと1対1になったが、GK木下航誠(3年)のビッグセーブに阻まれる。さらに右SB内藤淳之介(2年)が、素早くこぼれ球に反応して打ったが、DFに跳ね返され、先取点奪取に失敗した。 0-0で後半も終了し、計20分の延長も互いに大きな得点チャンスがないままタイムアップ。PK戦決着へもつれ込んだ。両チームとも先頭から8人目までが成功。GK林健介(3年)が先蹴りの青山学院9番手のシュートを左に跳んで弾き飛ばすと、都立国分寺の最終キッカー松田が右隅に沈めて勝利した。 主将でもある林はPK戦にはかなりの自信があるようで、相手に逆を突かれたのは1度だけ。7人目と8人目のシュートは、いずれも手に当てており、それが9人目の阻止につながった。 林は「蹴る方向は全部分かっていましたが、決められたシュートはコースが良かった。この大会の地区予選決勝も東海大菅生にPK戦で勝ちましたから、相性がいいのかもしれませんね」と破顔一笑。外せば敗退という場面で5人目のキッカーまで担当し、冷静に左隅へ蹴り込んだ。「キックには自信がありますが、練習通りにやれました」と涼しい顔で答えた守護神は、激しい攻防を演じた青山学院に対し「粘り強い素晴らしいチームでした」とリスペクトすることも忘れなかった。 (文・写真=河野正)