米子・皆生温泉の旅館「湯喜望 白扇」新体制で営業開始 事業譲渡で再生 鳥取県
1955年創業の米子・皆生温泉の旅館「湯喜望 白扇」(皆生温泉3丁目)が31日、民事再生計画に基づく新体制での営業を始める。全国でホテル・旅館経営を手がけるリロバケーションズ(東京)が前運営会社から施設、土地を取得。屋号とともに事業を引き継ぎ、受け付け済みの宿泊予約も切れ目なく対応する。 【自主再建断念】皆生旅館「白扇」 民事再生法 負債16億円 大山どりが再建へ
同社によると、新体制は従来スタッフに加え、運営ノウハウを持つ支配人を派遣。業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を進め、人的資源は接客などのソフト面の充実に充てる。海沿いの好立地の一方、塩害が見られる施設の修繕も予定。「時間をかけて地域と連携を図りながら、施設の再生、米子・皆生エリアの活性化を目指す」としている。 事業譲渡は約3億円で旅館不動産を売却し債権者への弁済に充てる米子信用金庫の計画に基づく。リロ社は旅館側と「従業員全員の雇用」を盛り込んだ協定書を交わしていたが、経営移行に合わせて退職も多く出た。旧白扇代理人の安田寿朗弁護士は「雇用する意向は示されたが、申し込むかどうか」と述べ、個々の判断とした。