ハンドドリップの全国大会で準優勝に輝いた東北萬国社の太田恵美子さん＝東京・東京ビッグサイト（同社提供）

　自社焙煎（ばいせん）コーヒーの販売を手がける東北萬国社（山形市、中村明子社長）で、直営コーヒー店「萬国珈琲ザ・モール仙台長町店」（仙台市）の店長を務めるバリスタ太田恵美子さん（43）＝仙台市太白区＝が、ハンドドリップの全国大会で東北地方の出場者として初の準優勝を果たした。同社からは初出場でもあり、太田さんは「最高のコーヒーを入れ続けたい」と話す。 　大会は日本スペシャルティコーヒー協会が主催する「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2024」で、日本で最も親しまれる抽出方法の技術を競う。256人の予選参加枠が募集開始から1分で埋まるほど、コーヒーに関わる多くの人が目指す大会だ。 　シンプルなルールながら、上位に食い込むには多角的な知識や技術、経験が必要だ。太田さんは仙台市で4月にあり、32人が出場した予選を通過。今月12日に東京で開かれた決勝大会に臨み、14人が争った。 　決勝は、分量の違う2杯を抽出して風味の整合性や質を競う「ドリップ競技」、レシピをプレゼンテーションしながら抽出し、レシピ通りに入れる「フリー競技」の2種目を実施。専門家による審査を経て、合計点で順位を競った。

　太田さんは同店に24年勤務し、20年以上バリスタとして活躍する。競技順がトップバッターで緊張したというが「苦手だったフリー競技を早く終え、ドリップ競技は落ち着いて挑めたのが良かった」と振り返る。目標は入賞だったが、結果は準Ｖ。ライブ配信で見守った社員から歓喜の声が上がった。 　「まさかの結果」と太田さん。会社や社員、指導者、客への感謝の気持ちを示し「飲む人をワクワクさせ、心地よいと思ってもらえる温度で入れるのがこだわり。今後も最高の一杯を入れ続ける」と決意を新たにした。