大活躍の中日 亀澤を発掘した落合GMの眼力
ショートは、外国人のヘルナンデス。セカンドの荒木にも、年齢的な衰えが迫る。ドラフトでは、遠藤一星(26)、石川駿(24)と社会人から2人の内野手を補強したが、落合GMは、そこが補強ポイントだと考えていた。内野をオールマイティにこなして、阪神の赤星憲広を髣髴させるような足を持っている亀澤が自由契約になるなら、うってつけだった。水面下で時を待った。 昨秋、ソフトバンクを通じて電撃アタックを仕掛けた。亀澤は、宮崎での巨人の2軍との練習試合の途中で、ソフトバンクの編成担当から中日からの打診を聞かされて、即決。そのまま中日の秋季キャンプにテストとして合流した。 支配下登録したとしても、年俸は440万円(推定)だから球団にリスクはない。球団サイドからすれば、超掘り出しものの金の卵だったわけだが、それもこれも、落合GMが、直接、そのプレーを見続けてきた行動力と眼力が埋もれかけていた逸材を発掘したのである。 亀澤は、入団会見で「野獣のような走塁を見せたい」と語っていた。まさに野獣のようなハツラツとしたプレーが亀沢の持ち味である。選手としては、メジャーリーガーの“ムネリン”こと、川崎宗則を理想としているという。元気と全力プレーでチームの雰囲気を変えるリーダーである。「どんなときでも元気。自分の色をだして、与えられた役割を果たすこと」。 落合GMに発掘された埋もれかけていた男が、中日の欠かせぬキーマンとなっている。