結局『踊る大捜査線』『コード・ブルー』頼み? フジテレビが新しい人気ドラマシリーズを生み出せない
昨年11月23日に公開された大ヒット映画の続編『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が、12月19日までに観客動員数125万人、興行収入17.2億円を突破したことが、同日に都内で行われた大ヒット御礼舞台あいさつで発表された。 【画像】カメラが回っていない所で……そのへんにいた子供とめっちゃじゃれ合う深田恭子 前作はとことん埼玉県をディスる内容で、製作サイドも予想しなかった37.6億円の大ヒットとなった。今作も前作に続いてGACKT(50)と二階堂ふみ(29)がW主演を務め、滋賀県をディスりまくって興収は現在22億円を突破している。 最終的な興収は前作には及ばない見通しだが、前作に続いて製作委員会のメンバーであるフジテレビに大きな収益をもたらしているという。 「昨年にフジが出資した公開作品では、菅田将暉(30)が主演する月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』の劇場版は興収が47.4億円、人気コミックの実写版シリーズ『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-運命-』と同『-決戦-』が2作で50億円を稼ぎました。 フジは’22年6月末に港浩一社長が就任後、連ドラを映画化してヒットさせるために新たな部署を立ち上げました。『ミステリと-』はその狙いが見事に当たったといえます。しかし、昨年1月公開の竹野内豊(53)の主演ドラマ『イチケイのカラス』劇場版は11億円ほど。大規模公開でのヒットの基準となっている10億は突破しましたが、期待された作品だっただけに想定外でした」(映画ライター) 港社長就任後の連ドラの劇場版では、いずれも’22年に公開された福山雅治(54)主演の『ガリレオ』シリーズの『沈黙のパレード』が興収30億円、吉岡秀隆(53)主演の『Dr.コトー診療所』が25億円を記録するヒット作となったが、フジテレビにとって、それはある程度織り込み済みだったようだ。 「『ガリレオ』はすでに2作の劇場版を公開済みで過去にも大ヒットしている〝鉄板〟の人気シリーズ。『Dr.コトー』も映画化すればヒットするのは見込めていました。それよりも、フジが当てたいのは、連ドラを新たに映画化した作品で、それをきっかけに連ドラの続編を制作したかったのです。 ところが、’21年公開の深田恭子(41)主演の『ルパンの娘』の劇場版の興収は4.5億円、’22年公開の窪田正孝(35)主演の『ラジエーションハウス』の劇場版は興収9.4億で、いずれも10億に届かず。その後に公開された『イチケイのカラス』も含め、ドラマの続編は厳しい状況が続いています」(放送担当記者) そんな中、昨年秋ごろから、織田裕二(56)主演の人気刑事ドラマシリーズ『踊る大捜査線』の劇場版5作目が、2月にもクランクインするという情報が報じられている。しかし、まだ正式発表はない。 「『ミステリと言う勿れ』は大ヒットしましたが、原作は未完で映像化していない部分は限られています。原作あっての作品のため、現時点ではどこまで続編が制作できるか疑問です。木村拓哉(51)主演の『教場』はドラマの続編としての映画化の話自体が流れてしまっています。もはや、ここ数年の連ドラでまだ映画化候補になりそうな作品は上野樹里(37)主演の『監察医 朝顔』ぐらいしか見当たらないのが現状なのです。 だから『踊る』を掘り出してきたのは苦肉の策でしょう。また、山下智久(38)が4月期のドラマ『ブルーモーメント』で主演を務めますが、それは興収93億円の大ヒット作になった『劇場版 コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』の続編を制作するための布石だとも言われています」(同) ’22年秋には『silent』が社会現象的なヒットとなるなど、決して話題作がないわけではないフジテレビのドラマだが、過去の人気作を超えることはなかなか難しいようだ。
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