年金月22万円、貯金3,000万円で穏やかに暮らす60代夫婦が一転、老後破綻に脅える毎日へ。原因は離婚して実家に舞い戻った「35歳の甘ったれ娘」【FPの助言】
出戻ったとしても、親子の関係は“自立”が前提
小林さんは、「今説明してくれたことを直接娘に伝えてほしい」と、FPにお願いしました。「娘とは距離も近くなり、遠慮もないだけに、最近は喧嘩になることが多く……。誰かに入ってもらうほうがスムーズです」とのこと。数日後、FPはさおりさんと小林さん夫婦と面談し、同様の説明をしました。 さおりさんは「今のままではダメだとはわかっていましたが、両親に甘えてしまう自分がいます。でも、いつまでも親がいてくれるわけではないですもんね。不安はついて回るけれど、できることを始めてみます」とのこと。また、小林さんも娘が離婚し、「どうにかしてあげたい」の一心で経済的援助をされていたと言います。しかし、それが逆に娘の自立を遠ざけていたということに今回FPの話を聞いて気づきました。 親が子どもの幸せを願うのは当然かもしれませんが、今回の小林さんのケースのように、すべての金銭的サポートをすることが必ずしも子どものためになるとは限りません。それが、自分たちの生活を苦しめる場合もあります。実際さおりさんが出戻ってきた時に、きちんとお金についての話をしていれば、こんなことにはならなかったはずです。 当然、親の亡き後も子どもと孫の生活は続いていくのでその時、困ることがないように、子どもの自立を促せる良い距離感を保つことが、安心した生活を手に入れることに繋がるのではないでしょうか。子どもが独立した後は、たとえ出戻ったとしても親子の関係は“自立”が前提と肝に銘じておきましょう。 <参照> *1*2「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」p.3~4 厚生労働省 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf *3「ひとり親家庭の支援について」p.73 こども家庭庁 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0a870592-1814-4b21-bf56-16f06080c594/1a35e485/20240911_policies_hitori-oya_62.pdf *4マザーズハローワーク事業厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21046.html *5「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について」こども家庭庁 https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya/jiritsu-shien-kyuufukin 執筆/南真理 ファイナンシャル・プランナー 監修/伊達有希子ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
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