再建急務の巨人は本当に清宮の1位指名で正解なのか
鈴木氏が指摘するよぅに一塁には、現在、阿部がいるが、ここは外国人で埋めれるポジション。むしろ、今季は、二塁が、マギー60試合、中井46試合、山本17試合と固定できなかった。村田が戦力外になったことで、来季はマギーが三塁に固定されることになりそうなだけに、なおさら、二塁のポジションが問題。最後にチャンスをもらった昨年のドラフト1位の吉川尚輝が、どれだけ成長するかにかかっているが、未知数ではある。また陽が87試合、立岡が45試合に先発出場したセンターのポジションも、陽の体力的な不安を考慮すると不安なポジションだ。外野を見渡せば、長野も34歳。左の切り札の亀井も36歳。一塁しか守れない清宮の獲得は、必ずしも、今後のチーム強化のための問題解決にはならない。 またキャッチャーには、25歳の宇佐見が出てきたが、守備は、まだ未知数で、小林は、打撃に課題を抱えている。チーム作りの基本となるセンターラインがぐらついているのである。鈴木氏が、「清宮よりも、まずセンターライン強化を」と、訴えるのも、もっともな主張だ。 元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏も、巨人の清宮1位の方針には問題あり、と見ている。 「もちろん、清宮は、スーパースターになる可能性もありますが、巨人の一塁のレギュラーポジションをとるとなると、かなりハードルは高いですね。巨人は、清宮を即戦力とは考えていないでしょうが、将来的に使われるようになったとき、打率・270から280、最低20本塁打は打たないと、外国人を補強したほうがいい、という意見が出てくるでしょう。一塁は、出たり、出なかったりするポジションじゃありません。左投手も苦にせず打たねばなりません。過去のドラフトを振り返っても、一塁しかできない選手が最初からレギュラーを奪ったのは、西武に入団した清原和博選手くらいでしょう。パ・リーグは、まだDHがありますが、セ・リーグで一塁手しかできないとなると、よほど打たないと使い続けてはもらえません。年齢面で最終的にコンバートをして一塁にいきつくことはあっても、最初から一塁手しかできない選手となると、必然、成功するための条件が厳しくなります」 優勝を宿命づけられている巨人は、清宮を引き当てたときに「勝負と育成」をうまく両立できるのだろうか。里崎氏が、指摘するように、巨人の戦力としての条件をクリアしなければ、ベンチにおきざりにされる可能性もある。その運命のドラフトのクジ引きは、高橋由伸監督が任されるという。