「遠山の霜月祭り」の季節がやってくる 「湯立て」などの神事、準備着々 飯田市で12月2日から
飯田市南信濃、上村両地区の遠山郷に伝わる「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)は12月2~15日、遠山郷の8カ所の神社で行われる。神々に湯をささげる「湯立て」や、神々の面(おもて)を着けた舞などで生命の再生を願う神事で、本番を控えて各地で準備が本格化。上村地区の上町集落では、祭りに参加する子どもたちが「四ツ舞」「襷(たすき)の舞」の所作を地域の住民から習っている。 【表】遠山の霜月祭りの日程
11日に正八幡宮(しょうはちまんぐう)で祭りを予定する上町集落では、上村小学校の児童5人と遠山中学校の生徒2人が加わり、地元のコミュニティセンターで週2回練習を重ねている。運動着姿で扇と鈴を手にした子どもたちは、大人たちから舞の所作を一つ一つ学んでいる。
初めて舞を習ったという上村小2年の宮国定志朗君(8)は「動きがたくさんあって難しかった。家でも本番まで練習したい」と意気込む。宮国君を指導した古瀬知也さん(41)は「霜月祭りを絶やさないよう願いを込めて教えた」と話す。
各神社での霜月祭りは、日中から深夜や翌日朝にかけて舞などが披露される。終盤に氏子が神々の面を持って登場する場面で、祭りの盛り上がりは最高潮に達する。南信濃地区では新型コロナウイルスの影響で、昨年まで3年間は観覧者を制限してきたが、今年は制限しない。上村地区は昨年同様に制限を設けない。