スタバが「紅茶特化店」を増やす理由。タリーズも全国30店展開
カフェチェーンにおいては、“脇役”的な存在である紅茶。 大手チェーンではコーヒーのメニューは複数取りそろえるのに対し、紅茶はメニュー数も少ないことが多く、これまであまり目立たない存在だった。 【全画像をみる】スタバが「紅茶特化店」を増やす理由。タリーズも全国30店展開 しかし今、一定数存在している「紅茶派」も取り込もうと、大手チェーンが「紅茶メニュー」に力を入れ始めている。 大手のスターバックスコーヒーは2020年から、またタリーズコーヒーは2017年から、紅茶に特化した業態を始め、じわりと店舗数を増やしている。 店名にも「コーヒー」を冠するスターバックスとタリーズだが、紅茶に注力する狙いを聞いた。
スタバ、紅茶特化店を相次いで出店
スターバックスコーヒーは、紅茶に特化した店「スターバックス ティー & カフェ」を相次いでオープンしている。これまで全国に10店を展開していたが、2024年に入ってから、渋谷や京都などに一挙に4店舗を開いた。 「ティー&カフェ」は2020年に始めた業態で、ティーラテやティーフラペチーノなど紅茶メニューをメインに、一部コーヒーメニューも取り扱う。 スターバックスコーヒージャパンによると、スターバックス全体で紅茶メニューは過去3年で売り上げが約3倍に伸びた。同社商品本部の加藤桜子本部長は、「紅茶の提供はこの数年で非常に力を入れています」と話す。 スターバックスは現在、全国に約1900店舗あり、店舗数は10年前と比較して約1.8倍に増えた。紅茶に注力する業態を始めたのは、店舗数拡大に伴い多様化する顧客のニーズに応えるためだという。 「ティー&カフェ」業態は通常店と比較して20代の女性客が多く、これまでのスターバックスの中心客であった30~40代よりも若い層の取り込みに成功しているという。顧客層の拡大など一定の手応えが得られたことから、テスト的な出店から出店強化へ舵を切っているという。 出店場所については、意外にもあえて既存のスターバックス店舗の近くに出店する戦略だという。その理由について、加藤本部長は次のように説明する。 「ティー&カフェだけに来てほしいというよりは、スターバックスのブランドの体験を深めていただきたい。気分に応じて使い分けてもらえるよう、近隣に通常店がある場所に意図的に出店しています」