アステラ薬社長、眼疾患薬「アイザーヴェイ」の国内承認申請目指す
(ブルームバーグ): アステラス製薬の岡村直樹社長は、眼疾患薬「アイザーヴェイ」の国内での承認申請を目指す姿勢を明らかにした。日本人を対象とした臨床試験データが必要か当局と協議中だとした上で、追加の治験が不要であれば「すぐに申請したい」と話した。
10日のブルームバーグとのインタビューで明かした。アイザーヴェイは昨年7月に買収した米アイベリック・バイオが開発。米国では昨年8月に承認を得て、発売した。前期(2024年3月期)の売上高は121億円で、岡村氏は「想定よりも良い」とコメントした。
アイザーヴェイはグローバルのピーク時売上高が2000億-4000億円を見込む大型薬だ。主力の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」が27年に米国で特許期間を満了した後の収益のけん引役に位置づけられている。日本で早期に承認申請ができれば、イクスタンジの売上高減少の穴埋めに弾みがつきそうだ。
アイザーヴェイと並び、アステラスが今後の柱と期待する更年期障害の治療薬「ベオーザ」は、米国での立ち上がりが当初の想定を下回った。要因について岡村氏は「広く消費者に訴えかければ、こぞって製品が希望されると誤解していた部分がある」と分析。
医療関係者内での認知向上や、民間保険のカバレッジの拡大などを進めて挽回する。「予想よりはピークに達する時間は長くかかるが、ピークセールスの実現には自信を持っている」との見解も示した。
また岡村社長は「大型のM&A(合併・買収)はしばらくはない」とした。アイベリック・バイオは買収額が約8000億円と大型の案件で負債が膨らんでいることから、「今年、来年ぐらいにあれと同じ規模の買収」は不可能だとし、まずは計画的な返済を優先する。従来から行っていたイノベーションの種となるアーリーステージの技術やプロジェクトへの小規模投資は続けるとしている。
岡村社長のその他の発言
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Akemi Terukina, Natsuko Katsuki, Shery Ahn, Haidi Lun