児童が自分で計画「自由進度学習」メリットと課題は
導入の長野県諏訪市城南小で授業公開
児童が学習計画を立て自分のペースで学習を進める「単元内自由進度学習」を本年度から導入している諏訪市城南小学校で11日、授業が公開された。県内外から教育関係者約90人が参加。児童たちが国語や算数の課題に取り組む様子を見学し、授業後の研究会で評価できる点や課題について意見交換した。 自由進度学習は課題に取り組む順番などを児童が自由に計画し、教員が用意した動画などの教材を参考にしながら進める。城南小では5年生が国語と算数、6年生が算数と家庭科の一部に自由進度学習を取り入れている。課題に取り組む場所は指定された範囲なら自由に選べる。 この日、児童たちはソファに座ってパソコンに文章を打ち込んだり、数人でテーブルを囲んで課題に取り組んだりした。仕切りのある机で一人で取り組む児童もいた。 5年の渡辺乃愛(のあ)さん(11)は国語の課題にじっくり取り組みたいと考え、算数の課題を先に終わらせた。「普段の授業と違い、自分のペースで進められるし、理解できるまで取り組めるから良い」と話していた。 研究会では参加者が意見を交わした。「(自分で計画して解決することで)自己肯定感が高まる姿が見られた」という評価の一方、「答え合わせが雑になり学びの定着が不十分になる」「学力の差で学習の遅れが生まれる」といった懸念の声も聞かれた。 長野市内の小学校の男性教頭は取材に「自分で目標を見据えながら取り組む姿が見られた」と受け止めた。どの子も理解できるような資料作りが必要になるとし「手間がかかるため、教員の働き方改革の面で課題」と話した。