「カニかに白えびまつり」、不漁で名称変更 10月に富山県射水市で海の幸イベント
富山湾の海の幸を販売する「新湊カニかに海鮮白えびまつり」が「しんみなと魚魚(とと)マルシェ」に名を変え、10月20日に富山県射水市本町のクロスベイ新湊で開かれる。能登半島地震による海底地滑りの影響を受け、不漁のベニズワイガニとシロエビを用意できないためだ。射水を代表する二大ブランドを販売できないものの、地物を使った海鮮料理や氷見市の特産物を提供することで地域ににぎわいをもたらしたい考えだ。 新湊カニかに海鮮白えびまつりは2008年に始まった。会場の新湊漁港に所狭しと並んだベニズワイガニやシロエビを目当てに大勢の人が訪れる。20年からは新型コロナウイルスの影響で規模を縮小し、「海鮮マルシェ」と銘打って開催していた。 6日に射水市の新湊消防署で開かれた実行委員会で、今年の開催内容を決めた。新湊漁港は能登半島地震の復旧工事の最中で使用できないため、クロスベイ新湊に会場を移す。ベニズワイガニとシロエビの代わりに新湊産の魚を使った鍋料理などを提供する。
復興支援として、氷見牛のブースを設け、石川県能登地方からの出店も呼びかける。若い世代への魚食文化の発信をコンセプトに据え、家族連れをターゲットにしたますずし作り教室を企画する。 地震発生後の富山湾の水産資源を調べた県水産研究所の中間結果によると、ベニズワイガニの今年1~5月の漁獲量は前年同期比26%減の107トン、シロエビの今年4~6月の漁獲量は前年同期比82%減の60トンだった。 実行委員長の塩谷俊之新湊漁協組合長は「ベニズワイガニやシロエビを味わってもらいたいのはやまやまだが、新湊のおいしい魚を若い世代に提供することで魚食文化の裾野を広げたい」と話した。 イベントは射水市や新湊漁協、新湊水産物商業連合協同組合、北日本新聞社などでつくる実行委員会主催。