【宏太’Sチェック】J1札幌 ゴールパフォーマンスを考えることで得点イメージを
◇J1第14節 札幌1-0磐田(15日・札幌ドーム) 結果をしっかり出してほしいと思っていた磐田戦で、その通りに勝てたのは良かった。浅野のゴールをアシストしたスパチョークのスルーパスは見事だった。彼にボールが入ると周りも動けているし、一番安定しているのは確か。彼にボールを集めていくのが今は良い。 課題は更に決めるべきところで決められなかったこと。右腰痛から4試合ぶりに復帰した宮沢がしっかりと全体を修正して存在感を示していたが、2点目3点目を取れていれば、彼を途中交代させて休ませることができた。出番のなかった22歳の田中克や18歳の原に経験を積ませることもできたはず。最低限の結果は出したが、そこは改善していかないと。 決め切れない要因として面白い現象があった。普通、ゴール前で切り返した時は相手DFが慌てるものだが、今の札幌の選手は自分たちがゴール前で切り返した際に、バタバタしてしまっている。余裕がないからゴール前で落ち着かず、決定機を生かせていない。得点のイメージが描かれていないからそうなるのだ。 簡単に改善するために、ゴールパフォーマンスを考えることを薦めたい。試合前に「得点したらこういうことをやろう」などと考えていると、そこに意識が傾いて、シュートの際にリラックスできたりする。磐田戦も自陣のゴール前では慌てずに対処して無失点に抑えてるのだから、相手のゴール前で落ち着いてできないはずはない。ゴールを取るのがサッカーの一番の醍醐(だいご)味。決めたら何をしようかというくらい楽しんでやれば、得点はもっと増えていく。 (吉原 宏太、1996~99年札幌FW)
報知新聞社