韓国大統領が弾劾回避、多数の与党議員が投票不参加で 党代表からは退陣方針の声も
韓国国会で7日夜に審議された尹錫悦大統領の弾劾訴追案は、与党「国民の力」議員の大半が投票に参加せず、成立しなかった。大統領は弾劾を回避した。ただ、与党の韓東勲代表は、大統領は最終的には退陣せざるを得ないと表明。韓氏は8日の会見で、大統領は早期辞任するまでの間、外交やその他の国政に関わることはないと述べた。 7日夜、韓国国会での審議で尹錫悦大統領は弾劾を回避。与党「国民の力」議員の大半が投票に参加せず、弾劾訴追案は成立しなかった。ただ与党の韓代表は、大統領は最終的には退陣せざるを得ないと表明した。 抗議者らは投票に参加しなかった議員らを「協力者」と呼び、怒りをあらわにした。 投票数は与野党合わせて195で、成立に必要な200に達しなかった。 国会議長 禹元植(ウ·ウォンシク)氏 「今日国会で下される決定を、全国民が見守っている。この国家にとって重要な問題に、投票さえ行われなかったことは誠に遺憾だ」 国会周辺は抗議する人々であふれ、尹氏の辞任を要求した。 尹大統領は3日夜、「反国家勢力」を撲滅するとして非常戒厳令を宣布。国会が直ちに解除要求決議を可決し、尹氏は4日早朝に戒厳令を解除したが、これにより、韓国政治は過去数十年で最悪の混乱に見舞われた。 尹大統領は7日午前、テレビ演説で混乱を引き起こしたことを謝罪。「任期も含め、今後の政治情勢を安定させるための措置を党に一任する」と語った。 尹氏自身は辞任を表明しなかったが、与党の韓代表は尹氏が最終的には退陣せざるを得ないと表明。韓氏は記者会見で、大統領は早期辞任するまでの間、「事実上職務から外れ、国政運営は首相が党と協議しながら行う」と述べた。 ただし、韓代表は尹大統領と過去に衝突していたこともあり、今回の発言が党を代表してのものかどうかは明らかになっていない。韓代表の発言について尹大統領にコメントを求めたが、すぐには返答は得られなかった。