横浜FCユース、無敗の流経大柏を下し暫定首位浮上 FW前田勘太朗が語る「シュートを打つ責任」とは
7月7日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 EAST 第11節、4試合が行われ、横浜FCユースがここまで無敗の流通経済大柏(以下・流経大柏)に2-1で競り勝ち、勝点を「22」に伸ばし、暫定首位に立った。 【フォトギャラリー】横浜FCユース vs 流通経済大柏 試合は前半44分、流経大柏はCKのチャンスでDF4奈須琉世が頭で押し込んで先制。追いつきたい横浜FCユースは後半11分、MF10朝見友樹のパスを受けたFW23前田勘太朗が決めると、同23分にもMF10朝見の浮き球のパスを受けたFW23前田が再び決めて逆転した。 その後、試合終了までアディショナルタイムを含めた残り27分、オープンな展開となるなか、横浜FCユースは流経大柏の猛攻を受け、決定機を作られたが1点差を守りきった。 その要因は『自分たちのサッカー=つなぐサッカー』を最後まで貫いたからだ。 「そこが一番のテーマでした」と横浜FCユース 和田拓三監督は「相手のやり方やペースに乗ってしまい、自分たちのゲームができなくなることが課題でした。そこを『ちゃんと自分たちのサッカーをしていこう』と話しをし、トレーニングを積んできました。選手たちも十分わかっていましたし、チームとして共通理解していたことは大きかったです」と語った。 今節の勝利により暫定首位で後半戦に向かう横浜FCユース。ただ順位表を見れば、勝点「21」川崎フロンターレU-18 、同じ勝点で流経大柏。勝点「20」で鹿島アントラーズユースと混戦模様だ。 和田監督は「全然差がなく、順位はすぐに入れ替わってしまうものなので気にしていません。むしろ前半戦はもう少し勝点が欲しかったので、落としてしまったゲームを反省したいです」とした。 前半、攻勢を強め決定機を作りながら、決められず、逆に失点してしまう。こうした嫌なムードを覆したのがFW23前田勘太朗。2得点ともに得意の背後を突く動きからの見事なゴールだった。 「結果という形で勝利に貢献できて良かったです」と笑顔のFW23前田だが、ハーフタイムの際、和田監督からシュートに責任を持つよう指示を受けたそうだ。そのシュートを打つ責任とは? 「味方が後ろからつないでくれたことをより理解することです。チャンスは自分だけが作ったのではなく、パスをつないだ選手や足を伸ばしてマイボールにしてくれた選手もいます。シュートを打つまでにいろんな選手が関わっています。シュート1本、決定機ひとつを迎えるまでにチームメイトが頑張ってくれています。そこはストライカーとして、責任をもってプレーしなければならないという意味です(前田)」 言えるようで、なかなか言えるものではない。この気持ちが2得点につながったかもしれない。 また会場のホーム・ニッパツ三ツ沢球技場が心強い後押しとなった。 「この暑いなか、あれだけの人たちが声援を送ってくれました。(※公式記録:観客数1200人)簡単には負けられません。まずは自分たちのために勝つ。そして来てくれた人たちを気持ちよくさせて帰すのがサッカー選手。勝ててよかったです」と胸を張った。 この活躍で今季6得点とした前田は得点ランキングでFW恩田裕太郎(川崎U-18)と並んでトップに躍り出た。後半戦に向け、前田のさらなるゴールが期待できそうだ。 (文・写真=佐藤亮太)