高齢者虐待 相談最多804件 被害は258件 防止への意識高まる 茨城県内23年度
茨城県は27日、県内で2023年度に起きた高齢者への虐待は前年度比8件増の258件と発表した。被害者数も9人多い272人だった。死亡事例はなかった。相談・通報件数は調査開始以降最多の804件で、県健康推進課は「虐待防止への意識の高まりがみられる」とする。 高齢者虐待のうち、家庭内は前年度比10件増の243件で、被害者数は12人増の249人。施設内は2件減の15件、被害者数は3人減の23人だった。 虐待の種別は身体的や心理的な虐待が多かった。「身体的虐待」は家庭が63.1%、施設が56.5%、「心理的虐待」は家庭が38.6%、施設が47.8%だった。ほかにも「介護等放棄」「経済的虐待」などがあった。家庭、施設ともに被害者は女性が多く、約8割を占めた。 家庭内で虐待をしたのは被害者の息子が42.5%と最も多く、夫21.5%、娘17.8%、妻6.5%と続いた。施設内は15件のうち14件で介護職が虐待していた。 これまで県は虐待の防止や早期発見に向け、施設や市町村の職員を対象とした研修会を実施。相談窓口などを掲載したリーフレットの配布も行うなど、啓発を続けている。 同課は「今後も虐待防止に注力していきたい」と説明した。
茨城新聞社