中国兵器工業集団、低空経済エリアに初出展 2万元の「半分本物の銃」も
【東方新報】第15回中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)が広東省(Guangdong)珠海市(Zhuhai)で開催され、中国兵器工業集団(Norinco)が低空経済エリアで11種類の製品を展示した。このエリアへの出展は今回が初めてであり、軍需関連の中央企業として唯一の参加となった。 低空経済とは、低空飛行を軸に関連分野を統合し、発展を促す新たな経済分野を指す。今年の珠海航空ショーでは、低空経済をテーマとした特設会場が設けられ、約8000平方メートルにわたる広大なエリアで展示が行われた。中国兵器工業集団の展示スペースは396平方メートル。他にも7社の無人機メーカーや20を超える関連企業が参加し、低空経済に対する注目の高さがうかがえた。 今回の展示では、「応急救援」「巡回点検」「物流支援」「試験運用支援」という4つのシナリオを想定し、無人機産業の研究開発や製造技術、低空経済分野でのサービス提供能力をアピールした。展示された製品には、中大型固定翼無人機「天鷹」「愛生」、中小型の垂直離着陸無人機、小型多旋翼無人機、中型ヘリコプター型無人機、さらに四足歩行ロボットや自律型巡回車などが含まれていた。特に6.5トンの大型輸送無人機「CY-8」は屋外にも展示され、多くの来場者の関心を集めた。 今回の航空ショーでは、中国兵器工業集団の展示以外にも注目を集めたアイテムがあった。それが「半分本物の銃」と呼ばれる文化創造製品だ。この商品は実際の銃の一部を模してデザインされ、約2万元(約42万7794円)の価格で販売された。限定135セットが用意され、3日間で完売するほどの人気ぶりだった。一部の来場者は「2つ買えば本物の銃として組み立てられるのではないか」と冗談を言ったが、店員は笑いながら「それは不可能です」と否定していた。 中国兵器工業集団は、「空と地上を統合した無人システム」の包括的なソリューション提供を目指している。無人システムやその搭載機器、統合管理プラットフォーム、低空飛行監視設備といった分野の強化を進めるだけでなく、適航認証、トレーニング、第三者検査といった新たなサービス分野にも注力している。こうした取り組みによって、無人システム産業のエコシステムを構築し、低空経済のさらなる発展に寄与していく計画だ。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。