育成10位からプロ初勝利…”超下剋上左腕”が日本シリーズ登板!
日本シリーズで苦しい戦いが強いられているソフトバンク。大卒2年目の前田 純(中部商出身/日本文理大)もほろ苦い登板となっている。 【一覧】わずか高卒3年目で……12人もの育成選手が戦力外に 2022年の育成ドラフト10で指名を受けた前田は、今シーズン開幕から二軍で好成績を残し今年7月に支配下登録を勝ち取った。その後も好投を続け19試合(17先発)で10勝4敗、防御率1.95と堂々の成績を残し、9月29日の一軍戦(日本ハム戦)での先発機会を得た。 プロ初登板初先発となった前田は6回まで日本ハム打線を3安打、無失点に抑える好投。見事にプロ初勝利をマークした。日本シリーズでは29日の第3戦では2回無失点に抑えたが、31日の第5戦では1回3失点と悔しい内容となった。 ソフトバンクにおいて育成ドラフトから選手が育ってくることは、決して珍しくはない。現在メッツでプレーする千賀 滉大(蒲郡出身)や日本代表の正捕手を務めていた甲斐 拓也(楊志館出身)をはじめ周東 佑京(東農大二出身)、牧原 大成(城北出身)、大関 友久(土浦湖北出身)もそうだ。 しかし前田のように育成10位から這い上がってきた例はほとんどない。ソフトバンクにおいて育成の下位指名(6位指名)以下で支配下登録を勝ち取ったのは、育成6位指名の甲斐と渡辺 雄大(中越出身/青山学院大→新潟アルビレックスBC)、同8位の中村 亮太(千葉経大付出身/東農大オホーツク)、同14位の仲田 慶介(福岡大大濠出身/福岡大)、そして前田しかいない。育成10位指名以下では仲田と2人だけ。下剋上中の下剋上といっても過言ではない。 その他の球団を見渡しても育成10位指名以下で白星をあげた投手はひとりもいなかった。 はたして来年以降、前田はどこまで成績伸ばしていくだろうか。その投球が楽しみだ。