聖光学院は東大「現役合格率」が突出…卒業生が明かす「教員」の圧倒的な熱量 「情操教育」で“考える力”
授業内で東大の過去問
塾に頼らない教育方針の礎となるのが教員の質だろう。聖光学院には東大や京大出身の教員が多く、受験指導の経験も豊富という。「自身の経験や先輩の受験を踏まえて受験アドバイスをしてくれる先生が多いです。熱量が低い教員はほとんどおらず、概して教師は愛校心が強く、生徒の面倒見は良かったです。中には、自分で400ページにもなる教科書を作り配布する先生がいるほど。教員の質の高さが学校全体の学力向上に寄与していると思います」(前出の現役合格した東大生) この東大生によると、聖光学院のカリキュラムは、高校1年生までに高校の学習内容を終え、高校2年生、3年生では受験に向けた応用や演習を行っている。授業内で東大の過去問を解き、先生がその添削を行うなど具体的な対策が徹底されているという。これにより、生徒たちは学校内で十分な学習を行い、塾に通わずとも高い成果を上げることができるようだ。 聖光学院の情操教育も見落とせない。 「ミサは年に数回、また年に1回、芸術鑑賞会などが行われています。これらが生徒にどのような影響を与えているかは明確ではないですが、“考える力”を育てる一助となっている可能性はあります。また、先生たちは毎学期に1度面談を行い、生徒の相談に乗ってくれます。熱量が高く、生徒1人ひとりを大切にする姿勢が感じられます」(同) 特筆すべきは、開成や麻布を蹴って聖光学院に入学する生徒が毎年40人近くに上ること。特に神奈川県に住む生徒にとって、23区内の学校は遠く通学が困難だ。 「個人的な印象ですが、開成や麻布を蹴って聖光にきた生徒の多くは、神奈川県に住む生徒のような気がしています。その理由としてはやはり23区内に通学するのは遠く、特に開成は神奈川とは反対側にあり、通学電車も通勤客で非常に混雑することがあると思います。もちろん、両方合格したら開成を選ぶ受験生もいるでしょうが、昔と比べて聖光の実績が上がったことで、聖光を選択する生徒が出てきたんだと思います」(同) 最近は、23区内在住でも横浜の聖光学院を選ぶ受験生が現れ始めた。この東大生がアピールするのは聖光学院の校風だ。 「聖光学院の魅力は、受験勉強に関することだけではなく、生徒の幅広い活動を否定せずサポートする“ホーム感”にあります。さまざまな課外活動で活躍している生徒がおり、学校は生徒の気持ちを尊重し、適切な対応やサポートを提供しています。生徒たちは安心して自分の目標に向かって努力することができるように思います」