米「防衛テック」業界はトランプ2.0に沸き立つ、政府との契約に期待
米国防総省との契約を狙う新興企業
■国防総省との契約を狙う新興企業 一方、防衛テックのスタートアップにとっての大きな課題は、国防総省にプロダクトを売り込むことにある。多くの新興企業は、最初に小規模な研究開発契約を獲得するが、長期にわたる大型の受注を獲得する前に資金が枯渇する「死の谷」に直面する。 シリコンバレーの防衛テック企業のリーダーたちは、トランプがマスクの助言を受け入れて、国防総省の8000億ドル(約125兆円)の予算を再編し、ロッキード・マーティンのような大手に吸い上げられてきた契約を新興企業に振り向けることを期待している。 しかし、トランプは、ウクライナへの軍事支援の終了を示唆しており、このことは、ウクライナ関連の契約を結んでいる新興企業のShield AI(シールドAI)やSkydio(スカイディオ)などの企業の打撃となる可能性もある。ただし、米国によるイスラエルの対ハマス戦争への支援の継続が、新たな契約機会でこれを相殺する可能性もある。 また、欧州においては第2次トランプ政権の誕生が、現地の防衛テックセクターに不確実性をもたらしている。 「トランプに関して唯一予測できるのは、その予測が不可能だということだ」とミサイル迎撃用の小型ドローンを製造するスウェーデン企業、ノルディック・エア・ディフェンスのCEOのカール・ロサンダーは語る。「これは、ヨーロッパに目を覚ますよう呼びかける遅すぎる警鐘だ。我々は米国が、ヨーロッパを救ってくれるという幻想を捨てなければならない」と彼は続けた。
David Jeans