強豪キエルバサのパンチにエグいヒザを突き刺す有川

　2023年12月24日（日）神奈川・横浜武道館にて開催される『PANCRASE 340』で「フライ級暫定王座決定戦」として、同級1位でZST第3代同級王者の伊藤盛一郎（リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST）と、同級3位の有川直毅（K-PLACE）がベルトを争う。 【写真】伊藤とベルトを中央に対峙する有川 　有川は、MMA8勝4敗1分。伊藤と同じくZST出身で、2019年からPANCRASEに参戦し、3連勝。2023年4月のコルトン・キエルバサ戦では、ONE FFで藤沢彰博を秒殺している強豪キエルバサを相手に、ヒジでカットさせてTKO勝ち。今回の暫定王座戦を決めている。 　16勝4敗2分で、うち10試合で一本勝ちを誇るMMAグラップラーの伊藤を、「ZST時代から背中を見てきた」という有川は、「いつか越えたいと思っていた。それがここで来た。運命」だと語った。 ◆最高の刺激をお届けしたい ──ZST時代には、交わることなく、伊藤選手がGRANDSLAM、RIZINへと主戦場を移していました。 「自分がZSTに上がったときに伊藤選手を見ていて、K-PLACEにもZSTで戦っていた選手もいたので、そのときから伊藤選手はチャンピオンで、デビューしたての頃は、その背中を見ていただけでしたけど、いつか越えたいと思っていましたね」 ──当時から伊藤選手をどう感じていましたか。 「やっぱり極めが強いなと。ZSTデビューから6年が経って、同じ30歳でPANCRASEで対戦することになって、PANCRASEも30周年……運命ですよね。“ここで来たか”って感じです」 ──K-PLACEからは伊藤選手と……。 「橋本薫汰がRIZINでやってますね。練習にもつきあいましたけど、あのときは2Rに薫汰がチョークでやられてるんで、借りを返さないと。それがZSTじゃなくて、PANCRASEの舞台で戦えるとは。自分は2019年からPANCRASEで試合を重ねてここまで来て、ずっとあのかっこいいベルトを追い求めてきたんで、いまは伊藤選手に勝つことしか考えられないくらい燃えていますね」 ──前戦でコルトン・キエルバサを2R TKOに下しました。キエルバサのフック系の強打に真っ直ぐを返して、強い組みで投げられてポジションを奪われても脇を差してケージを蹴って立ち上がった。あのカットは2Rのスタンドでの右ストレート、そしてヒジでしょうか。 「最終的には、ヒジからケージに押し込まれても掌底とかも入れていたんで。1R目が終わったときにキエルバサの左目が腫れていたんで、いい的（まと）だなと思って狙ってましたね」 ──初回の凄い圧力を凌げ、テイクダウンされながらフィニッシュさせず、スタンドに戻せば自身のターンが来ると思っていましたか。 「そうですね。もう、相手はONEにも出ている強敵で組みが強くて、自分も結構、足を使う方なんですけど、あの試合は小池（義昭）代表とも『今回は喧嘩で行こう』と話して、実践できたかなと思います」 ──フィジカルの強いキエルバサを相手に、「喧嘩で行こう」とは、あの組みも凌ぐ自信があってのプランですね。 「はい。やり辛い相手も気持ちで結果でも覆せた。今回の試合に向けていい自信になりましたね」 ──万智選手の取材のときに、出稽古先でも顔を見ました。石司晃一選手やジェイク・ムラタ選手がいて……。 「トイカツ東中野ですね。ドミネーター（弥益聡志）選手やグラップリングの強い人たちに揉まれています。それにK-PLACEから同じ横浜大会に出る栁川唯人（vs.Ryo）もそうですが、柔道の組み技の練習もしてきましたので問題ないです」 ──そして、キエルバサ戦ではスタンドでのジャブ、右ストレートに限らず、組まれていても際の打撃をしっかり入れていました。 「前回は相手を血だらけにしちゃったけど、総合格闘技とはそんなものなので。打撃で負けないので、今回も自分のフィールドに持ち込んで戦いたいと思います」 ──5Rの王座戦です。5Rのなかで今回も必ず自分のターンにする？ 「寝るか・寝ないか、5R、しっかり戦えるように練習もしてるんですけど……クリスマスイブなんで、男2人でからみあってる姿、あんまり見たくないじゃないですか（笑）。みんな試合後は彼女とかと横浜でイルミネーションを見るかもしれないし、早めに仕留めたいと思ってます」 ──勝負を決めるのは？ 「スピードと、最終的には気持ちだと思っています。試合当日まで上げて上げて、最高な状態で試合をすること。クリスマスイブに判定はダメでしょ。KOでみんなにいいクリスマスプレゼントにしたいです。しっかり作り上げて、最高の刺激を皆さんにお届けするので楽しみに待っていてください」