24年ドラ1候補、折ったバットは数知れず...青山学院大・西川史礁が意識するのは、意外なあの練習?!
ノーステップになると、下半身の力をほとんど使えない。そんな状況だからこそ、強い打球を打てるか。そのポイントがヘッドというわけだが、さらに聞いていくと、ドラ1候補のこだわりが見えてきた。 「ヘッドが寝た状態でミートしてしまうと、速球に対して負けてしまい、捉えてもファウルになってしまいます。これは大学に進学して、一番気づかされたことです。だからリストをしっかりと使って、ヘッドを立てた状態で捉えれば、インパクトの瞬間に負けないし、いいスピンで飛ばすことができます」 もちろん、「詰まったら飛ばないので、芯で捉えられるか」ということは気を付けているそうだが、重要視するのはヘッドを立てられるか。ここまで西川は強く訴えるが、「下半身を使って打つとかもありますけど」と、全身を使ったスイングすることの大切さを忘れない。 「ガチガチだと動かないので、余裕を持たせる意味でも足を上げて、軸足にきちんと体重を乗せます。そのうえで、しっかりとボールに向かっていくようにしています。 もちろん、突っ込むわけではないんですけど、軸足に重心を乗せたままスイングをしても、あまりバットを振れないので、そういう意識で足を使います。そのうえでヘッドを立てたままミート。最後はフォロースイングを大きくする。それを自分は考えてやっています」 ここまで考え詰めたうえで、西川は常に自分の形で振り続ける。これまで何本もバットを折ってしまったそうだが、「しっかりとスイングができた」と捉え、恐れることなく強振し続けてきた。この姿勢があるから、戦国東都で強打者として恐れられているのだろう。
そんな西川は、高校球児に向けて、こんなメッセージを送った。 「練習で10割を目指してほしいです。やっぱり試合になると、3割打てたら良い打者なので、練習では10割を打てるように意識した方が良いと思います。そこで考えたり、意識したりすることを、試合でどれだけ近づけられるようにプレーできるか。そういった考えでやることが、一番良いのかなって思います」 2024年の大学球界の顔・西川だが、決して最初からうまくいっていたわけではなく、試行錯誤を続けた先に、木製バットでも打てる技術を身につけた。その歩みは、木製バットを使っている、これから使おうとしている球児の道しるべになるだろう。