福島県常葉町を格闘技の拠点に 練習場やリング、宿泊施設など整備 東京都内の団体 地元選手発掘も企画
福島県田村市常葉町の山中に格闘技の練習・試合会場が誕生した。キックボクシング団体KNOCK OUT(ノック アウト)(東京都)が「旧常葉少年自然の家」を取得。練習に集中できるトレーニング場やリング、宿泊・入浴施設を整備した。動画配信している選手の試合や大会に向けた強化合宿の場「虎の穴」とする。将来は県内の選手発掘・育成や、地元を含む合宿など外部利用の受け入れを通じて地域活性化につなげる。 ■2日、こけら落とし 自然の家は東京都中野区が所有し、登山愛好者に知られる鎌倉岳の麓にあった。敷地面積約2万平方メートル、鉄筋コンクリート・一部木造の施設は区内の子どもたちの移動教室などで年間約2千人が訪れていた。東日本大震災で休館し、一時は復旧・復興を担う作業員の宿舎にも使われた。 ノックアウトは昨年に施設を区から購入して改装。「KNOCK OUT TRAINING CAMP(ノックアウト トレーニング キャンプ)常葉」と名付け、リングや観客席を備えた試合会場、合宿に対応可能な宿泊・入浴施設、食堂、トレーニング施設を整えた。
2日は、こけら落としとして所属の人気選手らによる試合を催す。当面はインターネットでのライブ配信用に定期的に格闘技イベントを開く。2日のこけら落としには地域の人たちも招いている。 改修は今後も続け、将来的に数百人が宿泊可能とする計画。格闘技をはじめスポーツ団体など一般に合宿地にしてもらったり、キャンプを楽しんでもらったりする構想もある。ノックアウトの山口元気代表(54)は「選手を強くするため、ここを選んだ。体づくりに適した食材を使った食堂も完備し、国内になかなかない施設にする」などと語った。 施設運営を請け負うノックアウトマネジメントの朝倉和夫代表(50)は「福島の復興に寄与したい。試合や合宿の地としてだけでなく、地域の皆さんに活用してほしい」と意気込む。すでに県外のスポーツ団体から利用希望が届いているという。