能登応援の新商品完成 金沢商高と地元企業連携
金沢商高が地元3企業と連携し、能登半島地震の復興を後押しする商品の開発を進めている。30日までに、金沢のドーナツ店とコラボし、珠洲特産の能登大納言小豆や酒かすを使ったドーナツとスコーンが完成。能登の食材や材料を使うことで長期的な支援につなげる狙いで、10月に開催される「金商デパート」での販売に向け、他にもプリンやお香などの開発を進めている。 金沢商高総合情報ビジネス科の3年生25人が5月から6グループに分かれ、雑貨販売の「すゞらん」(金沢市)、牛乳メーカーのアイ・ミルク北陸(能美市)、ドーナツ店運営のウフフ(金沢市)とともに開発に取り組んでいる。 このうち、ウフフとのグループが能登大納言小豆を使ったドーナツと、生地に酒かすとリンゴを混ぜたスコーンを作った。ドーナツは小豆の風味を感じられるように仕上げ、スコーンはリンゴの甘さと酒かすの香りを生かした。商品のアイデアや材料の調達なども生徒が担った。 今月24日には、開発に携わった上田陽莉さん、竹森まどかさん、山崎望愛さん、中島海愛さんが、ウフフの志賀嘉子社長とともに、金沢市安江町の「にぎわいスペース 新保屋」で試験販売を行った。購入者へのアンケート調査を実施し、今後の販売方法などの参考にする。 地震からの復興には長い時間を要することから、未来や地域へ「つなぐ」をテーマに商品開発を進めており、来年度以降も継続して行いたい考え。石川県内のほかの高校との連携も探る。 取り組みには、地震で被災した珠洲市の菓子店「メルヘン日進堂」もオブザーバーとして参加。日本政策金融公庫金沢支店と県産業創出支援機構(ISICO)の県よろず支援拠点も協力している。 ウフフとの商品開発に携わった上田さんは「商品を買った人が、能登に目を向けるきっかけになってほしい」と話した。