日本人の生涯年収は「3億円」って本当ですか? 年収「700万円超え」になると思うのですが、実際そんなに稼げませんよね? 老後も考えると「70歳」まで働くべきなのでしょうか…?
かつて日本人の生涯年収は3億円といわれていました。しかし、仮に20歳からの40年間で3億円稼ぐとすると、年収700万円以上が必要です。そのため、自分は生涯で3億円も稼ぐことができるのか疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。 結論として、生涯年収で3億円を稼げる人は確かにいる一方で、統計上は多くの人が生涯年収で3億円を稼ぐのは難しい状況です。 本記事では、生涯年収に関するデータや、今後生涯年収を増やすうえで心がけるべきことを解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
結論! 日本人の生涯年収は「3億円」もない!
独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った調査によると、2020年における学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合における60歳までの生涯賃金は、学歴別に次のとおりでした(退職金を含めない)。 ・中学卒男性:約1億9000万円 ・中学卒女性:約1億5000万円 ・高校卒男性:約2億1000万円 ・高校卒女性:約1億5000万円 ・高専・短大卒男性:約2億1000万円 ・高専・短大卒女性:約1億7000万円 ・大学・大学院卒男性:約2億6000万円 ・大学・大学院卒女性:約2億1000万円 なお、大学・大学院卒男性の場合、企業規模1000人以上の企業では生涯年収が3億円に達します。しかし、999人以下の企業規模では3億円に達しないため、データ上は「大企業に勤めている大学・大学院卒の男性」でなければ、生涯年収3億円を実現するのは難しいでしょう。 60歳経過時点で定年に伴う退職金を受け取り、その後に平均的な引退年齢まで非正社員で働き続けた場合の生涯賃金は、次のとおりでした。 ・中学卒男性:約2億4000万円 ・高校卒男性:約2億5000万円 ・高専・短大卒男性:約2 億6000万円 ・大学・大学院卒男性:約3億3000万円 さらに、同資料によると生涯年収は長期的にみると減少傾向にあります。1990年から2000年にかけては、大卒の男性であれば生涯賃金の平均値は3億円を超えていました(同一企業に勤めている場合)。 しかし、2020年における大学・大学院卒男性の平均生涯年収は約2億6000万円です。長期的に右肩下がりになっている状況を考えると、今後も生涯年収が減少する可能性が考えられます。