Jリーグ観客動員の大幅アップとDAZNの関係性は?
Jリーグが産声をあげて25年目。その間に積み重ねられてきた膨大な経験を介して、週末のどちらが好天に恵まれ、ファン・サポーターがスタジアムへ足を運んできたのかを季節や月ごと、さらには一日の時間帯ごとの統計として各クラブは把握している。 昨シーズンまでは、そうした情報をなかなか日程作成に反映できなかった。今シーズンもNHKの総合およびBS1で生中継される枠は残っているものの、それでも視聴する手段が電波による中継からインターネットによる配信に変わったことで、試合を開催する状況も劇的に変わった。 前出の15クラブのうち、昨シーズンの同時期に比べて1試合当たりの観客動員数をアップさせているのは磐田、FC東京以外に7つを数える。減らしている6クラブにしても、G大阪と川崎、2448人減のベガルタ仙台を除けば、大宮アルディージャ、柏レイソル、ヴァンフォーレ甲府は微減にとどめている。 そこへ、地元密着型である程度の動員が見込める北海道コンサドーレ札幌と清水が昇格。同じく昇格組のセレッソ大阪も、3年ぶりに実現させたG大阪との「大阪ダービー」で4万2438人を集めた。 単純計算になるが、いま現在のペースで最終節を終えると586万2348人に到達。2008シーズンに次ぐ歴代2位の数字となるが、村井チェアマンは手応えを感じながらも気を引き締めることを忘れない。 「一昨年、昨年とファーストステージの優勝争いとなった6月で、いまの盛り上がりをしっかり維持できるどうかがこれからの課題ですね。加えて、今シーズンはチャンピオンシップもありませんので」 セカンドステージ終盤戦で注目を集めてきた、チャンピオンシップ出場権をかけた争いも、1ステージ制に戻った今シーズンはない。海外クラブとの国際親善試合を通して選手たちの経験値をあげるために、集客が見込める7月にあえて2週間の中断期間も設けている。 広い意味での「DAZN効果」に後押しされ、快調なスタートを切った25年目のJ1戦線。観客動員数の伸びをこのまま右肩上がりで推移させていくためには、ピッチに立つ選手たちがさらに熱いパフォーマンスを魅せていくことが必要不可欠となる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)