台湾有事回避へ「現状維持がポイント」、元内閣官房副長官補柳沢氏が講演
(台北中央社)台北市で開かれたアジア太平洋千里フォーラムで5日、元内閣官房副長官補の柳沢協二氏が講演した。柳沢氏は台湾有事について「台湾、アメリカ、中国で、現状をどう守っていくかが大きなポイント。3者が合意できれば、危機は遠くなる」と話した。 フォーラムは両岸共同市場基金会が主催。柳沢さんは「日本から見た台湾海峡有事」をテーマに、世界情勢や台湾有事の可能性について講演した。 栁澤さんは、台湾を巡る国際情勢について、台湾、中国、米国のそれぞれの認識を解説。「台湾も中国もアメリカも(現状維持という)同じところを見ている。現状をどう守るか、そこへ向かってどう努力をしていくかが問われる」と述べ、対話による外交の重要性を説いた。 また、戦争を知らない世代が、対話を重視せず戦争に突き進んでいく状況に懸念を感じているといい、「特に若い人に、自分の問題として考えてほしい」と呼びかけた。 フォーラムでは台日双方の大学教授によるパネルディスカッションも開かれた。 (中村充孝)