【ロッテ】引退考えていた石川歩「だめだったらやめるんだろうと」右肩手術決断 669日ぶり白星
<ロッテ7-0オリックス>◇30日◇ZOZOマリン 656日ぶりに、マリンのマウンドで五右衛門が打者を斬った。 【写真】669日ぶり白星に安堵の表情の石川歩 6月24日に育成から支配下登録されたロッテ石川歩投手(36)が、22年9月13日以来となる1軍復帰登板を果たした。オリックス打線を5回3安打無失点に抑え、22年8月31日以来、実に669日ぶりとなる白星を手にした。 ◇ ◇ ◇ 「絶景で~す!」。久しぶりのお立ち台。石川歩はその言葉を待っていたであろうファンに、第一声で期待に応えた。そこから4度お決まりの言葉で球場を沸かせた。 11年目の帰ってきたベテランは「緊張もしましたし、あんまり思ったより状態は良くない中でなんとか粘れた」と決して好条件とは言えない風速12メートルの本拠地で、試合を作った。毎回走者を許すも、5回75球で3安打無失点。「ぴしゃっとはいかなかったですけど、何とか耐えることができてよかったです」。ほっとした表情を浮かべた。 昨季は2年連続の開幕投手が内定していたが、春季キャンプ中に右上肢のコンディション不良で離脱。プロ10年目にして初めて1軍登板がなかった。「これ以上、悪くなることはないなと思っていた」と右肩の3つの手術を決断。「だめだったらやめるんだろうなとは思ってました」と引退も考えていたという当時の正直な心境を吐露。それでもここまで来られたのは-。「リハビリ期間中、いろんな方に見てもらって、停滞することなく来られたので」。腐ることなく、日々練習を積み重ね、順調に回復していった。 首位ソフトバンクとは11・5ゲーム差があるものの、2位につけるロッテに心強いベテランが帰ってきた。「勝ったのは良かったですけど、自分の内容としてはまだまだ」と、本人としては完全復活とは言わない。帰ってきた五右衛門が、ここからファンに「絶景」を見せていく。【星夏穂】 ▼吉井監督(石川歩の勝利に)「技術は本当、天下一品なので、今日は後輩たちもいい勉強になったんじゃないかなと思います」 ◆石川歩(いしかわ・あゆむ)1988年(昭63)4月11日、富山県生まれ。滑川-中部大-東京ガスを経て、13年ドラフト1位でロッテ入団。プロ1年目から3年連続2桁勝利。14年に新人王、16年に最優秀防御率を獲得。17年WBCで日本代表入り。19、20、22年は開幕投手を務めた。23年10月24日に右肩手術。同31日に自由契約となり、11月30日に育成選手として再契約した。186センチ、80キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億1000万円。