6・4開幕バレーネーションズリーグ男子福岡大会 ともにパリでプレーした九州勢2人宮浦健人&甲斐優斗が〝第2の故郷〟五輪へ弾みつける
バレーボールの国際大会「ネーションズリーグ(NL)」の男子1次リーグが6月4日から北九州市で開催される。日本代表は5月21日からのブラジルでの第1週を終え、今回の福岡大会が第2週目。パリ五輪出場を決めている日本で存在感を示しているのが、昨季ともにフランスリーグのパリでプレーした宮浦健人(ジェイテクト)=熊本県荒尾市出身=と甲斐優斗(専大)=宮崎県延岡市出身=だ。地元九州から〝第二の故郷〟とも言えるパリでの祭典へ弾みをつける。(山田孝人) ■52年ぶりメダルへ日本代表登録メンバー【一覧】
◆宮浦 母の故郷で躍動
パリ五輪のメンバー争いが佳境に入る中での福岡大会は、宮浦にとっても特別な試合だ。「母親が北九州の出身なので、小さい頃からよく遊びに行っていた思い出の街。日本のバレーを見てもらいたい」と意気込む。 縁深い土地で大切な大会が続く。昨季はフランスリーグのパリでプレー。身長200センチ近い選手がそろうチームの中で得点を量産して、人気選手の一人になった。「(パリ五輪を)見に行くよ、と(仲間から)言われてます。何としても出たい」と闘志を燃やす。 熊本・鎮西高のエースとして活躍。早大などを経て、ポーランドでもプレーした。左腕からの強烈なスパイクとサーブが武器のスパイカーは「パリでは試合に多く出られたことで、試合の中での切り替えなどを学べた」と成長を実感する。 NL第1週で好発進した日本代表でも活躍が続く。強豪イタリアとの対戦では敗れたが、チーム最多の20得点を記録した。「ずっと目標だった五輪へモチベーションも高くやれている」。初の大舞台の出場を目指して腕を振り続ける。
◆甲斐 止まらぬ200センチの大器
身長200センチを誇る大器の勢いが止まらない。甲斐はNL第1週の4試合のうち3試合で先発出場を果たし、チーム3位となる36得点をマーク。主力の石川と高橋藍が不在の中、代表入りへ猛アピールに成功した。 「パリ五輪は遠い場所で縁のない大会」。初の大舞台にまい進する20歳は1年前までそう思っていたが、豊かな才能は真っすぐに最短距離を進む。昨秋の五輪予選でメンバー入りし、昨年末からはフランスリーグのパリで武者修行した。 パリ入りは、大学のリーグ戦終了後も実戦経験を中断することなく積むため、男子日本代表のブラン監督の協力もあり実現した。ハイレベルな環境で、高い打点のスパイクに磨きをかけた。「いろんな経験をさせてもらい今がある」と感謝を胸に刻む。 宮崎・日南振徳高3年時の全日本高校選手権(春高バレー)で3位に躍進して、その後も駆け上がってきた。パリでチームメートだった宮浦も「本当にすごい成長です」とうなる新星が、地元九州で躍動して祭典のメンバー入りを目指す。
西日本新聞社