第91回選抜高校野球 白米に頼らぬ、米子東流
<センバツ高校野球> 高校球児にとって、体を大きくするのはトレーニングの一つ。練習の合間に白ご飯をかき込むのは、よく見られる光景だ。「1日何合」などとノルマを設定するチームも珍しくない。だが、米子東は食事を大量にとらずに体を大きくすることに成功している。 この日ベンチ入りした15人の平均体重は75キロ。4番・福島悠高一塁手(3年)は身長185センチ、体重98キロで、高校入学後に20キロ増えたという。だが、食べる量はそれほど多くはなく、「白ご飯は1食300グラムほど」と明かす。白ご飯のノルマがない代わり、「たんぱく質は1食40グラム」「砂糖は1日20グラムまで」などの決まり事はある。 公立校の同校は強豪私学に比べて練習時間が少なく、平日は3時間程度。雪や雨の多い冬場は走る量も少なくなる。紙本庸由(のぶゆき)監督(37)は「ウエートトレーニングやダッシュなどでも下半身は鍛えられ、練習量に見合った食事を適正に取ることで筋肉が付き、体重は自然と増える」と強調する。 この日の札幌大谷戦では、パワー向上を図った打線が不発に終わった。それでも、主将の福島康太二塁手(3年)は「振りの鋭さは以前とは違った」と感じている。白ご飯をかき込んで走り込むイメージの強い「体作り」だが、米子東の無理のない手法が新しい潮流になるかもしれない。【長田舞子】