ソフトバンクG、「人工超知能」を10年程度で実現…孫正義氏が株主総会で目標示す
ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は21日、東京都内で開いた定時株主総会で、人類の知能をはるかに上回る「ASI」(人工超知能)の実現を10年程度で目指すと述べた。AI関連事業に注力して、「人類の進化」につなげると強調した。
孫氏はASIについて、「人類の知能の1万倍賢い」と定義し、ASIとロボットなどを組み合わせて活用していく考えを示した。「単独では無理で、複数のパートナーと共に目指す」として、他社と協力しながら実現を目指す。
一方で株主から、対話型生成AI「チャットGPT」を開発した米オープンAIについて聞かれると、孫氏は、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)に「1兆円を入れる話をした」と述べ、1兆円規模の投資を提案したことを明かした。だが米マイクロソフト(MS)は2023年1月、オープンAIに追加投資すると発表しており、SBGの出資は実現しなかった。
また孫氏は、16年に英半導体設計大手アームを買収後、米半導体大手エヌビディアに対し、買収を持ちかけたことも明らかにした。孫氏は、エヌビディアを非上場化した上でアームと合併し、AI向け半導体などの事業を拡大する構想を描いたが、合意に至らなかったという。
今回の株主総会では、米議決権行使助言会社が孫氏の取締役選任議案に反対を推奨したが、議案は賛成多数で決議された。