【師走ひと模様】祖母に感謝の寒稽古
「ばあば、いつもありがとう」。福島市の清水中1年の吉川鉄平さん(13)が、14日に69歳の誕生日を迎えた祖母梅津幸子さんにプレゼントを渡した。 剣道に打ち込むため4月から広島県の親元を離れ、市内の剣道スポーツ少年団で指導する幸子さんのもとで暮らしている。日頃の感謝を胸に寒稽古に励む。 ◇ ◇ 広島県呉市生まれ。5歳から本格的に竹刀を取り、昨年、個人戦で全国制覇を成し遂げた。より充実した環境を求め、小学校卒業を機に祖母が住む福島市に居を移した。 不慣れな土地での生活で募った寂しさや不安をいつも幸子さんが拭ってくれた。練習では丁寧な助言をし、終われば車で送迎し、悩みを聞いてくれている。 「誕生日を祝いたい」。毎月ためた小遣いで菓子と乳酸菌飲料を贈った。おいしそうに味わう祖母の笑顔を見て、もっと頑張ろうと活力が湧いてきた。 ◇ ◇
中学進学後初の全国大会は予選で敗れた。来年こそは優勝を狙う。「全国の舞台で活躍して、支えてくれる人に恩返ししたい」。少年剣士は、祖母との二人三脚でさらなる高みを目指す。