今季こそ!? 3打席連続三振…ソフトバンク〝大人のリチャード〟がポジティブ思考で決勝打「だんだんだんだん良くなってきて」
「あんまり〝旅〟には出ないようにしたい」
その〝ポジティブ思考〟が、最後の最後に最高の結果を生んだ。スコアレスでの9回2死二塁。リチャードの長打力も踏まえれば、四球で歩かせて、守りやすくするのも、阪神サイドからすれば一つのプランのはずだ。阪神の右腕・石黒の初球は、内寄り低めに落ちる134㌔のフォーク。勝負に来ている、とみたリチャードは、続く132㌔の「スライダーかカットじゃないですか?」という真ん中付近に浮いてきた甘い球を痛打。前進守備のレフトの頭を楽々と越えた。 「状態が今、いい方向にこの3試合、きているんです。ホントにだんだんだんだん、この3日間、良くなってきていて、今日が一番良かったんです」 12日は2安打2打点。13日には2号ソロ。そしてこの日は決勝打。その3試合で計5三振を食らってはいるが、ここぞの場面で、どんと大きな当たりを打って、打点を挙げるのがリチャードの仕事でもあり、魅力でもある。 気持ちの浮き沈みが、少しずつ小さくなってきたことを証明するような決勝打で、鳴尾浜の3連戦を締めくくり「これから、同じことを毎日できるようにしたいですね。あんまり〝旅〟には出ないようにしたいな、と思います」。独特の比喩は、あちらこちらに心を向けず、やるべきことに一直線、という意味だろうか。どことなく落ち着きを増してきたリチャードに、今度こそ、ホントに今季こそ、大きな期待をかけてもいいような気がする。
西日本新聞社