【ミャンマー】出国審査で汚職横行、訪日学生「賄賂必要」
ミャンマーを出国しようとする若者から、ヤンゴン国際空港の出国審査で汚職が横行しているとの指摘が出ている。渡航目的に合わない旅券(パスポート)を提示して審査官に賄賂を渡さざるを得ない事例が増えているためだ。同国では渡航目的によって必要な旅券の種類が異なるが、軍事政権は切り替えを制限しているという。日本留学を予定する若者は「仲介業者から賄賂の準備を指示された」と話している。独立系メディアのミッジマが11日伝えた。 訪日を予定する学生は同紙に対し、「『出国審査費用』として50万~100万チャット(約2万2,000~4万4,000円)が必要とされ、みんなが準備している。パスポートの切り替えが難しい」と語った。日本語学校に通う別の学生は、「滞りなく日本に渡るため、100万チャットを求められている」と話した。 軍事政権は渡航目的とパスポートの種類が一致しない人の出国を制限する動きを強めている。特に2月に徴兵制の実施が発表されてからは若者の国外逃避の流れが加速。煩雑な手続きが不要の訪問用パスポート(PV)を取得する人が急増した。 これに対し、軍政はPVから海外就労者用(PJ)や学生用(PE)への切り替えを制限。海外就労や留学の手続きを終えたものの、旅券はPVのまま出国しようとする若者が増えた。パスポートの発給待ちの人が多く、新規取得には時間がかかる状況となっている。 最大都市ヤンゴンに住む40代の男性はNNAに、「明確な目的がない場合、PVを取得する人が元々多い」と説明した。この男性は2000年代に日本で10年近く働いた経験があり、21年2月のクーデター後の経済混乱を受けて再び日本で働こうと準備してきた。彼もPVを保有しており、「渡航できないかもしれない」とこぼした。