具体的施策盛り提示 空き家対策の改定案 飯田市審議会【長野県】
空き家の適正管理や有効活用の方策などを協議する長野県飯田市空き家等審議会が28日に開かれ、市側は空き家対策計画の改定案を示した。計画期間は2025年度から5年間。空き家対策特別措置法を受けたもので、1年前倒しで改定する。12月から来年1月にかけてパブリックコメントを実施し、3月の計画決定を目指す。 改定案には計画の概要、現状と課題、基本方針、実施体制と具体的施策を盛り込んだ。 現状について、市の空き家率は17・1%(7860戸)で全国の13・8%を上回る。県全体では20・1%。別荘やアパートの空室を除いた市の空き家数は推計4770戸で、前回調査の18年から1080戸増えた。 空き家対策を進める上での課題として、空き家所有者の管理意識の希薄を挙げ、管理不全な空き家が増加しているとした。世代交代で必要な情報が継承されず課題だけが残されて次の世代の負担になっていることも課題として指摘した。 計画の目的や基本方針、取り組み方針に変更はない。計画の対象地域は現行と同じ「飯田市全域」とし、重点的対応を要する区域、活用を促進する区域指定の必要がある場合は「区域の設定を検討する」とした。 段階に応じた具体的施策として、居住段階からの空き家化予防、活用・流通の促進は継続し、現行の計画を見直す中で適切な管理の促進、管理不全対策、跡地利用の誘導に整理した。うち管理不全対策では、放置すれば特定空き家に至るものは「管理不全空き家」に認定し、安全対策を働き掛ける。指導によって改善が図られない場合は「必要な措置を勧告し、固定資産税の住宅用地特例を解除する」とした。 法改正では状態の悪い物件の区分として、新たに管理不全空き家を創設した。放置すれば「特定空き家」になる恐れがある管理不全空き家について、市区町村が所有者に是正を勧告した場合、固定資産税の軽減措置を適用しない仕組みを設けている。 佐藤健市長は空き家の活用に着目し「地域との懇談の中で話題に上るが、活用につながっている例はまだ少ない」といい、踏み込んだ活用に向けて意見を求めた。