マイナ保険証 トラブル76% 医療機関 窓口混乱の恐れ 「両立必要」 茨城
マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用を巡り、茨城県保険医協会は23日、会員医療機関を対象とするの調査結果について、回答した医療機関のうち8割弱でトラブルがあったと発表した。今回の調査対象時期は8月で、前回1月の6割強から拡大した。12月に現行の健康保険証の新規発行が終了しマイナ保険証に移行されるが、同協会は「当面の間、現行の健康保険証との両立が必要」と訴えている。 調査の回答数は1月が334件(回答率21.25%)、8月が370件(同23.57%)だった。 今回、トラブル「あり」と回答したのは前回比12.16ポイント増の76.00%。同協会はマイナ保険証の利用率増に伴い割合が拡大しているとし、「現状のまま利用者数が増えると医療機関窓口は混乱を来たす可能性が高い」と強調する。 トラブル別(複数回答可)では「名前や住所が黒丸で表示」が0.16ポイント減の80.45%と高い割合を占めたままだ。データ登録に誤りがある場合などに表示される「資格情報の無効」が8.06ポイント増の56.02%、「カードリーダーの接続不良・認証エラー」が11.04ポイント増の46.24%と続く。 このほか「期限切れ」が18.42%あった。マイナンバーカードの電子証明書に5年の有効期限があるためで、同協会は今後の更新必要件数増加に伴い、多発する可能性を指摘する。 12月以降の懸念として、「受け付け業務に忙殺される」は6割を超え、「診察の待ち時間が長くなる」も4割超だった。同協会の高橋秀夫代表理事は、移行を巡り「このまま強制的に進めるのが本当に良いのか。いま一度考え直していただきたい」と国に求めた。
茨城新聞社