『風来のシレン6』は難しい……でも癖になる“不思議”なゲーム! 遊ぶたびに「もっと深みに潜りたくなる」ので、1000回どころか2000回くらい遊べそう
入る度に構造や落ちている道具が異なることや、倒れたときに全てを失うというシビアなルールも相まって難しそうなイメージがつきまとう「不思議のダンジョン」シリーズ。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 確かに独特のシステムや覚えることの多さから難しい面もありますけど、『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』(風来のシレン6)なら、シリーズのキャッチコピーである「1000回遊べるダンジョンRPG」の通り、1000回……というか2000回くらい遊べそうな気がしています。 2000は言いすぎじゃないかって?まぁ実際にそこまでいけるかは分かりませんが、「不思議のダンジョン」は最初から上手な人はほとんどいませんし、少しずつ上達していく過程が楽しいジャンルです。 そして『風来のシレン6』はプレイヤーの成長を促す仕組みがすごく良くできているので少しずつでも確実に上手くなれる。そうして楽しみながら試行回数を増やしていけば上達するまでに1000回、上達してからさらに1000回くらいはマジで遊べるんじゃないかって思うわけです。 ちなみになんだか偉そうに書いていますけど、わたし自身のプレイ時間は150時間、冒険回数は200回程度。のんびり遊んでいるほうだし、このシリーズに接している期間こそ長いものの、特別上手というわけでもありません。好きと得意が一致しないこと、ゲーマー的には時々あります……よね? なんならまだ本作の最難関ダンジョンにはあまり手を付けられていないくらいなんですが、なぜかというとクリア後に追加されたダンジョンが楽しいし上達している感がすごくてそっちばっかりやってしまっているから。 楽しすぎて攻略情報を見ないという縛りプレイをしながら、自分で攻略した記録を付けてネットの片隅で公開するという変な楽しみ方をしています。目指せ全ダンジョン自力クリア! というわけで今回はクリア後の世界にも話題を広げつつ、より『風来のシレン6』を楽しめて上達にも繋がるような事を書いていこうと思います。 メインシナリオをクリアしたところで止まっているそこのあなたや、動画や配信で見て気になってたけど難しそうだし、半年経つのに今更やるのも……なんて思っているそっちのあなたも!6作目だけど大丈夫! そろそろ「不思議のダンジョン」の深みに潜ってみませんか? なお本作は大型アップデートの第二弾が配信され「Ver1.2.0」が最新のバージョンですが、本文中の内容や画像は基本的に「Ver1.1.0」以前のものになっています。最新バージョンの内容についてはおまけとして個別に触れていますので、最後までお読みいただければ幸いです。 文/白熊のヨゥ 編集/竹中プレジデント ■そもそも「不思議のダンジョン」はなぜ難しいと思われがちなのか? そもそも、なぜ『風来のシレン』をはじめとした「不思議のダンジョン」は難しいと思われがちなのでしょうか。理由のひとつとしてアクションゲームや、ロールプレイングゲームなどのメジャーなジャンルでの経験を流用できない点にあると思います。 アクションゲームで培った空間把握や反射神経はもちろん、RPGで大事なレベル上げや装備の更新など時間をかけて強くなるといった、他ジャンルの根幹にあたる要素がローグライクではほとんど通用しない。失敗時のペナルティも大きいです。 1ターンに1回しか行動できず、手に入る道具はランダム。道具の性能も出現するモンスターの能力もさまざまで、とにかく覚えなければいけないことが多い。そこをじっくり考えて突破するのが面白いところなのですが、一方そこが難しいところでもある。「不思議のダンジョン」の独特な部分です。 特にエンドコンテンツである「とぐろ島の神髄」に挑むとなると、これはかなり長い道のりになります。ストーリーをクリアして、ある程度ローグライクというジャンルに慣れていても一筋縄ではいかない。 道具の正体が不明な上に凶悪なモンスターがひしめくダンジョンを、99階という長丁場で進み続けないといけないし、これまでの冒険で手に入れた道具の持ち込みはできません。 似たような設定のダンジョンは『トルネコの大冒険』以降ずっと存在していて、そこでのダンジョン名にあやかって「もっと不思議」なんて通称で一括りにされるほどお馴染みのやつ的な扱いになっていますね。 ……冷静に考えると不利な条件のオンパレードなんですが、動画映えすることから配信などでプレイを見る機会が多いのも「不思議のダンジョン」が難しいと思われる理由のひとつかもしれません。 ■『風来のシレン6』の良いところはプレイヤー自身が気づきやすい配慮にある ジャンルとして難しいのは事実ですし、エンドコンテンツもそんじょそこらの難易度ではない。じゃあ『風来のシレン6』ってやっぱり難しいの?と聞かれれば、必ずしもそうではない。というかむしろ本作はこのジャンルの中ではかなり簡単な方だと思っています。 難しいのに簡単?何いってんの?と思われそうですが「不思議のダンジョン」において一番大事なのはプレイヤー自身の経験値。さまざまなシチュエーションに遭遇して、いろいろな情報を組み合わせ、生き残るための最善を模索する。そういった経験が物を言う世界なんです。 そして本作は充実したシステムと、よく設計されたダンジョンの構成によってプレイヤーがさまざまなことに気付いて、経験を積みやすいようになっている。これこそが今回の本題で、なおかつ『風来のシレン6』は難しいけど簡単という一見矛盾した結論に至ったわけです。 まずシステム面について。気に入っている機能を3つ挙げてみます。 ・1.実戦で試しにくいリスキーな行動を練習できる「もののけ道場」 「もののけ道場」は一度発見した道具と遭遇したモンスターを自由に配置して動作の確認ができるモード。これはいろいろな使い方ができるんですが、個人的におすすめしたいのはリスクが高い行動の練習。 たとえば、ダンジョン内にランダムで設置され、実際に踏んでしまうか特定の道具を使うまでは視認もできない「罠」。すべての風来人に悲喜こもごものドラマを提供してきた憎いあンちくしょうですが、踏んでしまったときの影響を確かめておく。というのは簡単にできるのでおすすめです。 また、冒険をある程度進めることで解禁される「桃まん」はモンスターに変身してその能力を行使できる道具なのですが、入手方法が特殊で手に入りにくい上に、実際に変身するまで強さのイメージが分かりにくいので、ここで思う存分試してみるのもいいですね。 ちなみに「もののけ道場」から派生した機能として「道場破り」というモードが第一回の大型アップデートで追加されました。これはシレンシリーズお馴染みのパズル系のダンジョンで詰将棋的なパズルが好きな人にはたまらないと思います。 が、実は筆者はシリーズの中でもこういうパズル系のダンジョンがマジで苦手。多分シリーズで一度も全部やりきっていないくらいだったのですが、今回折角なので挑戦してみました。 中間難易度の「★★」の時点で結構難しいし、最低難易度の「★」でも、モンスターの挙動や道具の効果を理解していないと意外と苦戦する内容もあったので、このゲームをはじめたてで挑戦するのは少しハードルが高いかもしれません。 と、ここで朗報なのですが、2024年7月5日に実施される第二回の大型アップデートにて「もののけ道場」の機能が更に拡張され、「道場破り」とはまた異なる基本動作に重点を置いた項目が追加されました。 この項目については、おまけのコーナーで個別に触れていきますね。 ・2.要救助者がいるフロアに行く方法が必ずある+救助までにリソースを全て注ぎ込める「風来救助」 「風来救助」はシリーズでもおなじみのモードで、冒険に失敗した際に他のプレイヤーに救助を依頼したり、他のプレイヤーを救助に向かう機能。なのですが、実はこれまでほとんど触ったことがない機能でした。 開始手順が複雑な上に自分の冒険の手を止める必要があって億劫だったというのが理由なんですが、本作はトップメニューより専用の項目を選んで開始できるので、現在の進行状況とは関係なく救助に向かうことが出来るようになっています。 救助に行く際は、道具も含めて要救助者が冒険していたのと基本的に同じ構成のダンジョンを進むことになるのですが、上達を目指す際のポイントは2点。 まずひとつは要救助者がそのフロアにいるということは、すなわちそのフロアにたどり着く方法はほぼ確実に存在しているという点。 例えば、序盤のフロアで武器や防具、食料などが明らかに不足しているような冒険でも救助を求めた人も同じ状況に陥ったはずだし、それでも進むことができている。 救助は一度失敗しても再度挑戦できるので、何度も挑戦して進むことができた理由や最後のフロアでは何故倒されたのか、その原因を探っていくことを意識するとよいでしょう。 もうひとつの抑えておきたいポイントは、救助は要救助者に話しかけた時点で完了するという点。つまり、通常の冒険よりもゴールが早いので道具を出し惜しみせずに戦えるわけです。 たとえば、全20フロアのダンジョンがあり、中間の10フロア目に要救助者がいるとします。要救助者がどういった理由で倒れたかは分かりませんが、おそらく後半の10フロアを攻略するためにある程度道具を温存しようとしたはず。 一方救助に向かうこちらは、同じ構成のダンジョンを進む中でほとんど同じ道具を入手できる上に、10フロア目に辿り着くために全ての道具を使い切っていいわけです。要救助者よりも好条件でプレイできると考えるとなんだか意外と簡単そうな気がしてきませんか? 少し話がそれますが「不思議のダンジョン」を遊んでいたり、他人のプレイを見ていて面白いのってなんだかんだいって散り際なんですよね。 襲い来る理不尽!不幸な偶然の連鎖!気づけば一個も残っていない食料! ギリギリなんとか生き延びようして、上手く切り抜けたときのカタルシスはもちろん最高ですし、足掻いたもののやられて「あ~~~!」ってなった次の瞬間、緊張が切れたせいもあって思わず笑ってしまったりもする。 ちなみにさっきの画像の続きなんですが…… 案の定、本来9Fなんて低層では登場しない超絶激強モンスターにバッタリ出くわしバッサリ切られたのでしたとさ。 こんなん笑うしかないし、わたしでも同じシチュエーションに遭遇したら救助を要請、というか「今ものすごいやられ方したからちょっと見に来てよ!」ってお願いしちゃうレベルです。 今はビデオクリップを撮ってSNSで簡単にそういうシーンを共有することもできますけど「風来救助」は上達の手助けになるだけじゃなく実際に遊べる形で散り際を共有できる機能なんて風に考えてみても面白い。だから遠慮なく救助を要請してほしいし、他人の救助にもチャレンジしてみてくださいね。 ・3.ゲームのテンポを削がず、集中も切れることなく攻略情報にアクセスできる「探検録」 システム面で特に気に入っているのが「探検録」。簡単に言うとゲーム内で攻略Wiki並みの情報が参照できるようになっていて、ゲームのテンポを削がずに気付く機会を与えてくれる素晴らしい機能です。 発売当時、本作でも屈指の難易度と言われていたダンジョン「ヤマカガシ峠」に何度か挑戦したものの難しくて行き詰まったタイミングがありまして、現実逃避……もとい気分転換のために「探検録」を眺めていたんですよね。 ちょうど先ほどの画像と同じ画面で、本作から初登場する「火遁忍者」と、こちらは(なぜか)シリーズの常連の「畠荒らし」というモンスターが同時に出現するエリアなことに気付いたんですが、こいつらは真正面からの戦いもかなり強い上、床に落ちている道具を焼失、もしくは「雑草」に変化させるという能力を持っています。 えー繰り返します。道具が生命線で、危険な敵には一体にひとつの道具を使うのもザラなゲームにおいて、落ちている道具を跡形もなく焼き尽くすやつと「雑草」というなんの効果もないゴミに変化させるというもはや意味がわからない能力を持ったやつが一緒に出てきます。 「おいおいおいおいスパチュンさんよぉ!探索させる気あんのかいィ!?」 と叫ぶと同時に「あ、そうか、これ探索させる気はないんだな」とも気付いたんですよね。 一般的なRPGにおいては危険な敵ほど倒したときに得られるメリットのほうが大きいのが常ですが、「不思議のダンジョン」ではそうとも限らない。だからこういう明らかに敵が危険で探索の価値がないエリアはどうすべきか。 そう、逃げるべきなのです。 1つのフロアをくまなく探索し道具を回収するというのも大切なセオリーですが、これに固執しすぎるのも危険というのは、初心者の内は中々意識がしにくい部分だと思います。逃げるのが正解って、なんかちょっと不思議ですよね。 危険なモンスターが出現するエリアは階段を探して即座に降りる。これは本作以外の「不思議のダンジョン」においても勿論有効で、攻略情報を見ると「このフロアは即降り推奨」なんていう言葉を頻繁に目にするほど周知された考え方です。 ただ、知識として分かっていても、どの階層にどんなモンスターが出現し、どういった対策を立てるべきかというのは、何度も繰り返し遊んで覚えるか攻略情報を参照する事でしか確認ができない情報でした。 一回スマートフォンを見るのは大した手間ではないですけど、回数が増えるとどうしてもテンポを損なってしまうし、集中が途切れる要因にもなってしまうので画面から目を離さずにゲーム内で必要な情報にいつでもアクセスできるのって結構助かります。 ■食べる、仕掛ける、逃げまくる?コンセプト特化のクリア後ダンジョンでテクニックを磨こう システム面での配慮も行き届いていますが、個人的にさらに気に入っているのがクリア後に開放されるバリエーション豊かなダンジョンの数々。 これらのダンジョンにはコンセプトが割り当てられていて、たとえば前の項目で触れていた「ヤマカガシ峠」であれば、逃げるべきフロアとそうではないフロアが交互に続くので、個人的には「戦う」か「逃げる」かの判断力を鍛えるダンジョンなんて風に捉えています。 折角なので幾つか画像とともに概要を紹介させてください。 画像を挙げたダンジョンは、ルールが独特でコンセプトが明確になっているダンジョンなのですが、面白いのがそのコンセプトをただなぞるだけではクリアできないという点。 たとえば「桃まんダンジョン」のモンスターに変身するというのは確かに強力ですが、変身中はシレンが行える行動にかなり制限がかかってしまう。 だからずっと変身し続けることはできないので、一芸に特化したモンスター状態と、さまざまな道具を使えるシレン状態を上手く切り替えながら進む必要がありますね。 「罠師の抜け道」は、風来人にさまざまなドラマを提供してきた憎いあンちくしょうこと「罠」をモンスターにだけ踏ませることができる、「罠師の腕輪」を装備した状態で探索が始まり、これまでのうっぷんを晴らせるダンジョン…… と見せかけて、罠にかからないモンスターも多数登場するので、そういった敵への対処をどうするかも考えなければいけません。 モンスターへの変身や罠の逆利用という強力な要素を、どのタイミングでどう使えば一番効果的なのか、逆に効果を発揮しにくいのはどういう場面なのか。こういうのを探検録とにらめっこしつつ考えて、自分なりの答えを出していく。この瞬間がすごく楽しいんです。 メインシナリオダンジョン「とぐろ島」でも勿論そういうことは学んでいけるんですが、これらのダンジョンは『風来のシレン6』におけるさまざまなテクニックや要素を集中的に味わえるし、変則ルールでの冒険は一味違う面白さがありますね。 ローグライクはプレイヤーの成長や上達がゲーム内の結果に反映されるジャンルで、そのためにはよく観察しなければなりませんからさまざまな要素を小分けにして経験できる仕組みは最適というわけです。 「戦う」か「逃げる」かの判断、道具の性能、独特な武器の「印」システム、敵モンスターがしてくることとそれの対策、未識別道具の推測、本作で追加されたドスコイ状態の活用法。クリア後に追加されるダンジョンでそういったことを経験していくことで、自然と「とぐろ島の神髄」に挑めるだけの地力と知識が身につくはず。 まぁ中には道中が楽しくて道草を食べまくっているわたしのようなやつもいますけどね。 ■シリーズの根源的な面白さに立ち返った『風来のシレン6』は、このジャンルの新しいバイブルになりそう ところで電ファミニコゲーマーでは、2016年に当時「不思議のダンジョン」シリーズを手がけてきた中村光一氏と長畑成一郎氏へインタビューを行っています。ぜひ次に読むリストに加えていただければと思うのですが、その中でこんなお話がありました。 (中略)『ローグ』って、アイテムを取ってもそれが何かよくわからないじゃないですか。いわゆる「未識別」の状態ですが、当時の僕からすれば「なんじゃこりゃ……」ですよ。 ところが、あるとき「未識別」の同じアイテムを2つ持っているときに、片方を使ったらもうひとつのアイテムも識別されたんです。 その瞬間、「あ、このアイテムが何かわかったぞ」と思って、今度は意識的に同じアイテムをふたつ溜め込むようにしてみたら、もうどんどん進めるんです。そのときに、僕の中で「これは自分で戦略を見つけて、自分のスキルを高めて楽しむRPGなんだ」という理解が生まれたんです。 ここで言及されている「自分で戦略を見つけて、自分のスキルを高めて楽しむRPG」という部分こそ『ローグ』から受け継がれた「不思議のダンジョン」シリーズ全てに通じる面白さの根幹なんですね。 そして『風来のシレン6』ではシステム面の充実っぷりもそうですし、冒険に失敗したプレイヤーを助けにいく「風来救助」やダンジョンの構成を再現して挑める「パラレルプレイ」なども含めて、気付くことの面白さという原点に立ち返りつつ、気付きやすい仕組みや工夫が凝らされている。 ちょっと唐突なんですが『スーパーマリオブラザーズ』っていつ遊んでも楽しいし、プラットフォームアクションというジャンルの経験値を積むのに最高の存在です。 タイトルを『スーパーメトロイド』、ジャンルを探索型アクションとしても通じるようなバイブル的なタイトルってどのジャンルにもありますよね。 そしてローグライクにおけるそれがどの作品かと聞かれれば、わたしは迷いなく『風来のシレン6』を推すし、なんならこの他にないと断言します。 7月5日には大型アップデート第二弾が配信され、まだまだ目が離せない本作。シリーズ公式X(旧Twitter)アカウントではアップデート内容や、公式パラレルプレイのIDが投稿されているので以下のリンクからチェックしてみてください。 ローグライクは難しいけど『風来のシレン6』なら上達していくのは簡単。だから発売から半年経っていても、シリーズを遊んだことがなくても、いきなり6作目でも自分のペースで遊べば大丈夫!今こそやろう「不思議のダンジョン」! ■おまけ:せっかくなので「Ver1.2.0」を遊ぶの巻 とここで締めるつもりだったのですが、本稿を書いている最中に最新バージョンの「Ver1.2.0」が配信されました。ストーリーに関わるちょっとしたネタバレ要素があることもふまえ、せっかくなので本文とは別にアップデートの内容に触れていこうと思います。 まず注目したいのは「基本の特訓」。これは「もののけ道場」の話題でも触れた基本動作に重点を置いた項目というやつで基本の「キ」ならぬ『風来のシレン』の「フ」から学んでいける機能になっています。 「不思議のダンジョン」はルールが独特で他のジャンルでの経験が通用しにくい一方、プレイヤー自身がいろいろなシチュエーションを経験して自身が気付くことが大切。というのは本稿でも触れたとおりですが、この機能はその独特なルールの部分を集中的に遊べるわけですね。 なんならこの機能をしっかり遊んでおけば本作以外の「不思議のダンジョン」もとりあえず遊べるようになるんじゃないかと思うほどの充実度なので、「もののけ道場」が解禁されたら触ってみるのがよさそうです。 機能面でいうと「ピンチアラート」も中々ユニークです。これは何かというと、ヒットポイントが一定以下になった際に一瞬操作不能時間が発生する機能。 と書くと、なんでそんな時間が必要なの?テンポ悪くない?という疑問もあるかもしれませんが、前提として『風来のシレン6』は敵から受けるダメージがかなり大きめなのです。 それはもう、ストーリーダンジョンの最初のフロアですら何も考えずに正面から殴り合うだけでは打ち負けてしまうレベルで、わたしも初めてプレイしたときは面食らいました。 何も考えずに正面から殴り合うというのは流石に極端ですが、唐突に大ダメージを受けて焦ったり、間違ってボタンを押してヒドい目に、というのは風来人あるあるだと思うのでこれは有用な機能だと思います。 残りの追加要素については、どちらかというとやりこみとしての側面が強いのですが、まず一定条件を満たすことで挑戦できる「御神木モード」において操作できるキャラクターが追加されたというもの。折角なので公式X(旧Twitter)から画像を引用させていただき紹介しますね。 Kawaii!! 性能としては特定の道具や装備が使えない代わりにさまざまな特殊能力を駆使して攻略を目指すキャラクターで、軽く触った限りでは通常のシレンと一長一短といった印象。強みもあるけど弱点もしっかりあるのがまた可愛い。 これがどういうキャラクターで、どういう経緯で登場するかはストーリーにも関わるので割愛しますが、実際に操作する場面では三度笠の上にある蝶々のような飾りが歩く度にフヨフヨ揺れて羽ばたいているように見えて超カワイイ。 このキャラクター自身は直接上達に繋がるようなものではないのですが、いろいろなダンジョンへの挑戦に使用できるので、ひと味違う冒険にでることでモチベーションアップにも繋がることでマジかわいい。 もう一つ「御神木モード」に追加されたのが「フロア数切り替え」の項目。これは何かというと、特定のダンジョンに限りこれまで設定されていたゴールの階層を超えてプレイすることが出来るというもの。 コンセプト特化のクリア後ダンジョンも本作の魅力の一つではあるのですが、実は一点だけ悩みのタネがありました。 というのもこれらのダンジョンってゴール設定が絶妙で、普通にプレイすればギリギリの戦いになる一方、攻略法を見つけて慣れてくるとかなり余裕を持ってクリアできるようになってくるんですよね。まぁ余裕かましてやられることもあるんですけど。 そうなると感じるのがこの持ち物でもっと深層に向かうとしたらどこまでいけるのかな?という感覚。なかなか贅沢な悩みではあるものの、この「もっと遊びたい!」に応えてくれるのはありがたい。 今回のアップデートの内容を一通り触って感じたのは制作陣の熱意。初心者向けにさまざまな機能を用意して利便性やとっつきにくさを解消しつつ、中級者以上にはさらなるやりこみやモチベーション材料を提供することで、いろいろな人に遊んでもらえるように本気で取り組んでいるのだと伝わってきました。 繰り返しにはなってしまいますが「不思議のダンジョン」は確かに難しい。でも本作はその難しさが苦にならないように様々な工夫が凝らされているので初心者でも本当に大丈夫!この記事が『風来のシレン6』をはじめる、もしくは再開するきっかけになれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
電ファミニコゲーマー:
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