純白のアイドルホース・ソダシ「多くのファンを虜にした美しく輝く毛並みと強さ」【もうひとつの最強馬伝説】
イタズラと人間が大好きなお姉さん
2020年の暮れに阪神ジュベナイルフィリーズを勝ち、白毛馬初のGⅠ制覇を成し遂げたソダシ。 【ガチ予想】2歳牝馬チャンピオン決定戦「阪神JF」をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円! 翌2021年にはクラシックの桜花賞も制し、その名は世界にも広まった。この競馬界に白毛旋風を巻き起こした、才色兼備の女傑の素顔はどんなものだったのか? 現役時代の同馬を担当した今浪隆利元厩務員から聞いたお話を、選りすぐりの名馬36頭の素顔と強さの根源に迫った『もうひとつの最強馬伝説~関係者だけが知る名馬の素顔』(マイクロマガジン社)から一部抜粋してお届けする。 「ちょっとヤンチャなお姉さんタイプで、イタズラもしましたね。人間に可愛がられていましたし、自身も人間が好きなようです。人間に愛想を振りまいてくれるので現場でも愛されていました」 ソダシの担当厩務員だった今浪隆利は白毛のアイドルホースの素顔を愛おしそうに振り返る。 「ただ、身体を触られるのをすごく嫌がるんですよね。こちらも仕事なのでお世話するために触っていると、最終的には『それ以上やると噛むぞ』という態度になるんです。でも本当は噛む気がないので、耳元でカチカチと歯を鳴らすだけなんですよ。それもまた、可愛くてね」 ソダシの〝お気に入り〟のイタズラは、馬房の掃除をしている人間のお尻に自身の鼻をくっつけるというもの。そうすると腰を入れて作業ができないので困ってしまうのだが、ソダシはご機嫌なのだという。 「須貝先生にもイタズラしますね。珍しく調教師のことも好きな馬なんですよ。調教師に対して苦手意識がある馬も少なくないのですが、須貝先生はたくさん遊んでくれるので、近づくと馬房から顔を出して呼んでいます。先生も、ニンジンを切って食べさせたり、ジャンパーを好きに噛ませてあげたりして応えてあげていましたね。勢い余って時計が壊れちゃったこともありました(笑)。吉田隼人騎手も厩舎によく顔を出して、一緒に写真を撮ったり撫でたり、とても可愛がってくれていました」 そんなソダシでも、調教が厳しくなってくると機嫌が悪い日も増えてくる。 そんな日は、無口(頭部に取りつける馬具)をつけようと近づくとお尻を向けて嫌がるそうだ。背中に隠していても、賢いのでバレてしまうらしい。 「そうなるともう待つしかなかったですね。しばらくすると馬房から顔を出して、『こっちにおいでよ』と招いてくれました」