メジャー挑戦の菊池雄星を最低7球団が争奪。6年46億円契約の予測も
ポスティングによる大リーグ移籍を希望している西武の菊池雄星(27)を最低でも7球団が狙っていることが明らかになった。米メディアのCBSスポーツが菊池の特集記事の中で伝えたもの。同記事は、「27歳の菊池は、エース候補としてアメリカに来た松坂大輔、ダルビッシュ有、田中将大よりは、一段階落ちるが、現時点の日本で最高の投手」と紹介。 「菊池は、左投手で占められるFA市場に加わることになる。ダラス・カイケルとパトリック・コービンはFAの先発陣で最高の投手で、J.A.ハープが3番手かもしれない。菊池はこれらの投手より少なくとも3歳若く最も安価な契約が結べるかもしれない」と、FA市場における菊池の立ち位置を分析した。 そして移籍先の候補としては、「今年に限っては大リーグのほぼ全球団が視察したようだが、ブルワーズ、ドジャース、ジャイアンツ、フィリーズ、レンジャーズ、レッドソックス、そしてヤンキースが菊池の最近の登板をチェックするために球場に姿を見せている」と、7球団が菊池の獲得に乗り気であることを示唆した。 その上で、「菊池はダルビッシュ、田中、あるいは、大谷のようなアピール度はないが、とても良い投手で、27歳の左腕に対する入札競争は間違いなく起きるだろう。FAでカイケルやコービンを獲得する余裕がなく、代わりの存在として、また上積みを期待して菊池獲得に向かう球団は結構あるかもしれない」と見通しを予測した。 また大リーグの公式サイトも「日本人スター左腕が大リーグチームとの契約を期待」との見出しを取って菊池の特集記事を掲載。同サイトは、ジョン・ポール・モロシ記者のレポートを引用して「大リーグの複数スカウトは、チームの先発2番手になる能力を秘めていると考えている。菊池の速球は92マイル(約148キロ)から94マイル(約151キロ)前後で96マイル(約154.5キロ)まで達し、日本プロ野球の左腕としては珍しい球速」と紹介した。 気になるのは、その値段。この日、敏腕代理人であるスコット・ボラス氏と代理人契約を結んだことも明らかになった。米メディアの「ファンクレッド・スポーツ」のジョン・ヘイマン記者がツイッターで「菊池がボラス・コーポレーションと契約」と報じたもの。ボラス氏は、球団との喧嘩腰の交渉術で好条件を引き出すことから”吸血鬼”と恐れられている人物で古くはAロッド。現在はサイヤング投手のシャーザーなどを顧客に持ち、2006年に松坂大輔が西武からレッドソックスに移籍した際には総額5200万ドル(約58億8900万円)の巨大契約をゲットしている。 このツイッターを紹介した「MLBトレード・ルーマーズ」によると、このオフの菊池のFA人気ランキングは12位。その評価は「菊池は、このオフの市場で各球団が興味をそそるワイルドカード的な存在となる。この左腕にはメジャーの先発ローテーションの中ほどの位置に何不自由なく配置できるとの期待がある。27歳という年齢に特に価値がある。だが、菊池は、肩にいくつかの問題を抱え、ダルビッシュ有や田中将大といった選手ほどの印象強い武器があるとは評価されていない」というもの。 同サイトは「すべてを考慮に入れて菊池の収益力を予測するのは難しいが、疑いなく菊池は代理人のスコット・ボラス氏のサポートを受けて、この頑強な市場で最大限の年俸を得られることを望んでいるだろう」とした上で、6年4200万ドル(約46億5000万円)で、西武が、約800万ドル(約9億円)のポスティング金額を手にすると予測した。 西武は、近日中にポスティングシステムの申請手続きをNPBに行う姿勢を明らかにしており、菊池争奪戦に一気に火がつきそうだ。