大阪16区、公明は重鎮の地盤守り切れず 山本氏「力不足で申し訳ない」
公明党の北側一雄元国土交通相が引退し、日本維新の会と公明、立憲民主党の三つどもえとなった大阪16区(堺市堺・東・北区)は、維新新人の黒田征樹氏(44)が初当選を決めた。北側氏の後継で参院議員からくら替え出馬した公明新人の山本香苗氏(53)は重鎮の議席を守れなかった。 「期待に沿う結果を出せず申し訳ありません。私の力不足です」 山本氏は堺市堺区の選挙事務所で支援者を前に何度も頭を下げた。比例代表との重複立候補はしておらず、落選が決まった。 参院議員を4期23年務めた山本氏は、昨年5月に立候補を表明。衆院当選10回の北側氏の地盤を引き継ぐため、二人三脚で支持固めに奔走し、維新を迎え撃つ態勢を整えていた。 だが、黒田氏に加え、前回比例で復活当選した立民前職の森山浩行氏(53)とも争う混戦模様で、序盤は2氏を追う展開に。山口那津男・公明前代表や石破茂首相(自民総裁)が応援に駆けつけ、北側氏も何度もマイクを握った。外交官出身の山本氏の経歴に触れ「東アジアで武力衝突があってはならない。外交の力が必要だ」と訴え、懸命に保守層の取り込みを図ったが、及ばなかった。 維新は、看板政策「大阪都構想」を巡る公明との協力関係から一転、16区を含めた大阪、兵庫の小選挙区で公明との全面対決に臨み、大阪では全勝。当選確実の報を受けた黒田氏は堺市東区の選挙事務所で、「選んでよかったと思ってもらえるよう、仕事でご恩返ししたい」と語った。