侵攻2年…揺れるウクライナ 兵士の妻ら「早期帰還」求めデモ 横行する“兵役逃れ”命がけの逃亡
日テレNEWS NNN
ロシアの軍事侵攻から2年をむかえようとしているウクライナ。国民が一致団結していた当初からは想定できなかった動きも出ています。 ◇ ウクライナの首都キーウ市内の墓地に連なる国旗。ロシア軍との戦闘で死亡した、ウクライナの軍人たちです。市内の集合住宅では、広い範囲が黒焦げになり、壁が崩れて中が見えてしまっているところもありました。 ロシアによる侵攻開始からまもなく2年になります。前線でも激しい戦闘が続き、ウクライナ軍は弾薬と兵力の不足に直面。長引く戦争は、ウクライナ国内でもきしみを生んでいます。 キーウの独立広場では11日、兵士の妻や母親たちが「軍人は奴隷ではない!」と声をあげていました。前線で戦う兵士の早期帰還を求めてデモを行っていたのです。 兵士が除隊できるようになるまでの期間が定められていないため、兵士の妻たちは期間を明確にするよう訴えているのです。 デモに参加していた、オレナさんと娘のマリヤさん(8)に話を聞きました。東部で戦う夫セルギーさんの帰りをキーウ郊外の自宅で持っています。
オレナさん 「夫の誕生日にプレゼントしたアルバムです」 セルギーさんがプロポーズしたのは2年前。侵攻開始のその日でした。 プロポーズのため送った動画で、「ハニー愛しています。結婚してください」と言い、オレナさんの写真を前にひざまずくセルギーさん。当時、国外にいたオレナさんに、この動画を送って結婚を申し込み、軍に志願することを伝えたといいます。 8歳の娘、マリヤさんも、セルギーさんを待ちわびています。 ――パパと会ったらどうする? 娘・マリヤさん(8) 「お祝いする!」 ――どうやって? 娘・マリヤさん(8) 「抱きつくの」 この2年間で3人が一緒に過ごせたのはわずか、ひと月半ほど。あるとき、一晩だけセルギーさんが帰ったときは… オレナさん 「夜、目を閉じるのが怖かった。目を閉じて朝になったら彼はすでにいないと知ってたから、ずっと(夫の寝顔を)見ていたくて眠れませんでした。兵士たちはいつまで任務が続くか知る必要があります」 ◇ 戦争が長期化するなか、国内で高まる兵役制度への不満。さらに、後を絶たないのが、兵役を逃れるため国外に脱出しようとする動きです。