山の中のイルミネーション 高齢化により今季で見納め 愛知・設楽町
終了に「残念」の声相次ぐ 「同じ規模のものは二度とできない」
終了の理由について宮本さんは「自分はもちろん、手伝ってくれる人も高齢化。後継者もいないから」と話した。設楽町全体の人口は2018年12月1日現在で2172世帯4845人。65歳以上の割合を示す高齢化率は、全体の半数近い49.12%と上昇している。このうち神田地区の人口は、同日現在で58世帯103人と近年減少傾向が続き、この5年で32人減った。宮本さんもトレッキングで花や自然の風景をカメラ撮影することが趣味だったが、足を悪くしてからは趣味も遠のいた。 地区在住で長年有志として手伝う自営業の近藤建市さん(50)は「正直、終わるのは寂しい。ただ、日中仕事しながら週末に手伝える人が減ってきた。個人レベルで宮本さんの規模のイルミネーションを引き継ぐのは自分もできないし、周囲にもできる人がいない」と話した。 終了の知らせを聞いて妻と見物に訪れた静岡県湖西市の平野賢二さん(68)は「山の中にこんな大きなイルミネーションがあるということがとても意外で、面白いのに。終わるのは残念」と、カメラのシャッターを盛んに切っていた。 これまでを振り返って宮本さんは「自分が楽しい、地区の人が楽しいと思えることをやってきた」と満足の表情。残念という声を聞いて「二度と同じ規模のイルミネーションはできない。新しい形でやりたい気持ちはあるけどね」と、今後できる範囲での実施方法を探っていくという。 会場の目印となる住所は「工房もしかしたら」のある設楽町神田宮平9-1。国道473号から県道32号が交わる地点。1月10日まで、午後5時~午後9時ごろに見物できる。 (取材・撮影・文 斉藤理/MOTIVA)