桂文枝が18年ぶり東京の寄席に登場! 上方落語の重鎮が落語協会100年に花添える“男気出演”
落語家の桂文枝が11日、東京・上野の鈴本演芸場の6月中席「落語協会百年興行」(20日まで)で昼の部の主任(トリ)を勤めることとなり、落語協会百年実行委員長を務める林家正蔵とともに出番前に会見を行った。 上方落語の重鎮である文枝が東京の寄席に出演するのは18年ぶり。10日間の主任興行に「大阪はだいたい、なんばグランド花月が7回、(定席の)繁盛亭も7回。10日間は長いなぁ~」とボヤきつつ「来月81歳になるので、大阪では(香盤が)上のほう。(鈴々舎)馬風師匠や(林家)木久扇師匠も出てくれるとのことで、皆さんに会えるのを楽しみにしたい」と東西のレジェンド競演を心待ちにした。 正蔵によると、22年冬に百年実行委員会の会議で春風亭小朝から「文枝師匠をお招きしてはどうだろう」と提案があり、文枝もこれを快諾。正蔵は「10日間の主任です。師匠は営業だったら(出演料が)すごい額だと思います。それが『寄席の割りでいいよ。落語協会のお祝いなんだから。金のことじゃない』と。その師匠の一言に心を打たれて、お言葉に甘えて出て頂いている」と文枝の“男気”を明かすと、文枝は「そんなこと言うたっけ?」と照れ笑い。「上方落語協会の100年の興行のときには正蔵師匠に寄席に出て頂きたい」と語った。 創作落語の第一人者として知られる文枝は、今も新作を作り続けており、最近も「2日間で3作書いた」という。「500作まで目指して、今320作まで来ました。ただ数だけではなくて、内容のある落語でどれだけ喜んでもらえるか」と意欲は尽きることはない。 文枝は流派にこだわらず気前よく稽古をつけることでも知られ、落語協会の噺家(はなしか)も文枝のネタをかけることがある。正蔵は「『新作は古典の5倍以上稽古してください』と言われたこと、それから上下はこだわらないということ。(古典落語では)男の方が上座でおかみさんが下座という設定になるけど、かかあ天下のときは立場としておかみさんを上座に持ってきてもいいんじゃないか、という新しい考え方を教わった。これが財産になっております」と感謝し「落語協会も失礼がないようにオールスターでお迎えします」。文枝も「鈴本演芸場にいらっしゃ~い!」と自身のギャグで呼びかけた。
報知新聞社